ミスタッチには種類があります【無意識のミスを意識の中に入れる】

ピアノ

皆さんは音を間違えないで弾くということにどのくらい注意を向けていますか?

私はミスタッチは確率的に仕方のないものと思っていたのですが,きちんと意識すればミスタッチを減らすことは可能だと思いましたので記事として紹介してみます。

ミスタッチの種類にはどんなものがあるのか

ミスタッチにはどのような種類があるか考えてみましょう。今回はミスタッチなので,音の間違いというものに焦点を当てます。聴いている人が気づかないミスと誰もが気づいてしまうミスタッチまでがあると思いますが,ミスタッチは自分のポリシーの問題なので,自分の中でミスタッチと思うものをミスタッチとします。ピアノを弾いているときに発生するミスタッチには以下の2種類があります。

  • 毎回同じ部分で発生するミスタッチ
  • 毎回違う部分で発生するミスタッチ

毎回同じ部分でミスタッチをする場合

毎回同じ部分でミスタッチをするというのは,細かく見れば同じ音のミスタッチと思われがちですが,同じ小節や同じフレーズなど同じパターンの部分でミスタッチをするものが対象となります。この場合,多くの人はその部分をゆっくり練習して自分の動きを分析していくと徐々にミスタッチが減っていきます。また,曲の中で苦手意識がある場合にはミスタッチが発生しやすくなります。苦手意識があるのは,その部分が難しいとか練習が足りていないということがはっきりしているからだと思います。毎回同じ部分でミスタッチをし続けると苦手意識も生まれてきてしまうので,できるだけ早いうちからミスのないテンポで練習して動きの確実さを身につけていることが重要となります。

毎回違う部分で発生するミスタッチ

厄介なのはこちらです。このタイプのミスタッチを解決するのは少し難しいです。ただ,自分では毎回違う部分でミスタッチをしていると考える人でも,他人から見たら同じ部分でミスタッチをしているようにしか見えないという人もいます。そのため,このタイプのミスをする人はどこでミスタッチをしているか覚えていないこと多いです。こういう人に有効な練習は演奏の基礎レベルの底上げとして「ハノン」や「リトルピシュナ」などの少し泥臭い基礎練習を少ししながら,「どこまでもゆっくり練習する」という練習方法が有効です。特に,ゆっくり練習すると演奏に対するする集中力や動きの緻密さが身につきます。また,ミスタッチをせずに弾ききったという経験を積むということもこのパターンの人には非常に重要です。

以下の記事も参考にしていただければと思います。

ミスタッチを意識の中に入れる

ミスタッチは自分がミスと思うかどうかという部分も関係してきますが,ミスタッチを自分の意識の中に入れてあげることがミスのない演奏をする上では大切です。案外,ミスをしていてもお客さんには分からないレベルのミスタッチもあり得ますし,もっと言うと,ミスタッチを意識している人と意識していない人では演奏の丁寧さに歴然とした差がつくことが多いです。一つのミスで命を取られることはありませんが,練習の時ほど一つのミスを悔しがるということはあっても良いかもしれません。楽しく演奏するためミスタッチを気にしないという人もいるかもしれませんが,そういった人でもできるだけ正確な演奏をすることは魅力の一つに感じているのではないでしょうか

どういう段階でミスタッチが減っていくのか。

ミスタッチが減るまでには,以下の2パターンがあると思います。

  • どんどん練習していく段階で減っていくという人
  • 譜読みが終わった段階でミスタッチがほとんどなくなる人

私はずっと前者でしたが,最近は後者になれるように練習をしています。その方が,ミスタッチを減らすための練習が少なくて済むので練習の効率は上がりますし,曲の中で苦手意識を持つような部分もほとんどなくなりました。

最初からミスタッチは少ない方がいい。

練習をしていく上で,毎回同じ部分で間違えてしまうという人は,手が間違えたところに跳躍してしまったり,指が思った順番で動かなかったりするという人が多いと思います。毎回の練習でミスタッチが出てしまうのはある意味では「間違える練習」(いわゆるミスタッチをするための練習)を重ねてしまっていることがあります。これを減らすためには,最初からミスがない方がいいですし,曲のミスタッチを譜読みの早期からなくせると良いと思います。自分のミスタッチがどこで発生しているか,なぜ発生しているかということをしっかり認識した(ミスタッチを意識の中に入れた)上で練習に取り組めると少ない練習時間で曲の中身を練るための練習に移ることができます。毎回,ミスタッチが本番までなくならない,譜読みに数週間~数か月かかってしまうという人は「同じ部分のミス」か「違う部分のミス」かを認識した上でミスタッチを減らすための練習ができているか考えてみると良いかもしれません。

人に分かるミスと分からないミス

ここまで,演奏時のミスタッチがないことに越したことはないという観点でミスタッチについて語ってきましたが,鳴っている音に注目すると,ミスタッチの中では聴いている人にも分かるものと自分にしか分からないものに分けられます。ミスタッチもちろんない方がいいと思いますが,曲によっては何千もの音符を奏でる場合があります。全曲で数音にミスが多少あろうともその人の奏でようとしている音楽が損なわれることはありません。もっと極端に言えば,緊張してボロボロになってしまっても,曲の合間に見えるその人がやろうとしていることから,演奏している人の音楽への考え方は十分に伝わりますので,本番でのミスタッチは恐れてはいけません。練習ではミスのない演奏をすることを目指し,本番ではさらに自分の練習してきた音楽を楽しめるようにできると良いと思います。

まとめ

今回はミスタッチとして「音そのもののミス」について記事にしてみました。今回の記事でまとめたように,ミスタッチを自分ミスタッチの中には,強弱を間違えたり,タイミングを間違えるということも含まれます。そうしたミスタッチについても今後記事にしてみたいと思います。

ゆきふり

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