オクターブが届かない時はどうするか?【重音の演奏】

ピアノ

小さい頃はとても手が小さく、小学校5年生くらいまではオクターブがギリギリ届くかどうかだったこともあり、小学生の頃はオクターブが届くことが一つの喜びだった記憶があります。
皆さんの手は大きいでしょうか。

手が届かない音符をどう弾くか?

音が届かないことはかなり辛い

オクターブなどの音が弾けないと,音形が簡単なのに押さえられないというストレスがかかります。
オクターブであれば大人になれば手の大きさが大きくなりますし、弾いていくうちに手が開くようになっていくので届くようになるのは時間の問題でもあります。
それが分かっている場合でも「手が届かない」というのは技術的にクリアしているのに弾けないという辛い感覚を感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
特に,小学生では曲がどんどん難しくなっていくのに身体の大きさがそれほど大きくなっていない場合もあるので,オクターブがバンバン出てくる曲になって一気に進みが遅くなるという人もいると思います。
私が小学生の頃に習っていた先生は意地でもオクターブを弾かせようとしてきましたが、物理的に届かないものはどうしようもなくて練習のやる気がなくなってしまったことが度々あります。

オクターブに限らず和音の幅が大きくなり、間に複雑な音が入る場合もあります。
こういった音を弾くための解決方法を2つ紹介します。

解決法1:アルペジオで弾く

1オクターブがまだ届かない状態でオクターブの和音を弾く必要が出てきたり、ドからファまでといった手が大きい人でも弾くにはかなり厳しい和音は一度に押さえるのではなくアルペジオにして時間差で弾いてしまうという方法があります。

アルペジオにして弾くという場合、パラパラと弾くのではなく、できるだけ重音に聞こえるように素早く弾きます。
もちろん、曲によってはゆっくり弾いた方がより効果的だったりベースの音を先に弾いて後の音をまとめて弾いた方が深みがでたり色々ありますので弾き方のバリエーションはたくさんあります。

アルペジオで弾く場合は慣れないとミスタッチを誘発してしまう可能性がありますし、音の大きさのコントロールができなくて和音の真ん中にあたる音が大きくなってしまうこともあると思います。
しかし、手が届かないときに間の余計な和音や雑音がたくさん入るよりは全然きれいに聴こえますし、手の小さいピアニストでも使うことがある手法なのでオクターブを時間差で弾くことは恥ずかしい演奏方法ではありません。
この方法で弾くうえでミスタッチを減らして音を上手くコントロールするためには1と5の指以外で押さえる音がある場合はその指を鍵盤からできるだけ離さないようにすると弾きやすくなります。
1と5の指だけの場合でも、例えば3の指を空中のどの位置(どの鍵盤の上)においた上で1の指を伸ばして音を押さえにいくかという目安を確認しておくとミスが減らせます。

アルペジオで弾くのが難しいと感じる人には次の方法もあります。

解決法2:重要ではない音を間引く

この方法は色々な曲に触れてきて慣れている人やピアノの先生であれば、特に悩む必要なく音を間引くことができると思いますが、初心者のうちはどの音を間引く(どの音を弾かない音とする)かはすぐには判断できないかもしれません。

基本的に左手の和音であれば「一番下の音」、右手の和音であれば「一番上の音」を軸に考えて一番遠い音を省略します。
ただし、曲によっては省略しようとした音がメロディに絡む音なので省略できないという場合もあるため、全てがこの基本パターンに当てはまるわけではないことには注意が必要です。
最初は音を省略することに抵抗があるかもしれませんが、こうして弾いた場合でもしっかり弾けば作曲者が意図した音を十分再現することもできますし、全体の演奏に傷が入ることもありません。
特に初心者や手の小さいのうちは演奏する音を減らすことで安定して弾くこともできるので、オクターブだけでなく弾きにくいところを簡単にするということは曲を練習していく上でも重要なことだと思います。

特に、オクターブが原因で演奏に自信が持てないという人はこの解決法2は大きく役に立つと思います。

手を開く動作とは?

ピアノを弾くときの指を開く動作は以下のときに訪れます。

  • 手を大きく開く動作
  • 指の間を開く動作

手が小さい場合はオクターブの演奏をするとき目一杯に開くので「手を開く」という動作は意識的に行うと思います。オクターブが弾けるように手が開くようになったら、次はアルペジオのための指の間を開くという動作が重要になってきます。

手を開く練習とストレッチ

おすすめの練習曲

手や指の間を開くために効果的な練習曲としては様々なものがありますが、簡単には以下のものがおすすめです。
・ハノン No. 42(減七の和音)
・リトルピシュナ No. 39, 40(アルペジオ)
どちらの曲も手の形を安定させるためにとても効果的な練習でやったことがない人ほど大きな効果があります。
リトルピシュナのアルペジオは手の小さい人でも弾けるようにできているので、小学生でも十分取り組めると思います。
また、和音の移り変わりの楽しさを感じることができるようになれば音楽性も自然とレベルアップするかもしれません。

指を広げるストレッチ

ピアノを弾かない間の指の間を広げる練習として指の間を親指と人差し指で挟んで揉むと指が自然と開くようになります。
年齢を重ねるとともに指の間の筋が硬くなってしまうのでこうしたストレッチはとても大切です。
私もまだ20代ですが、明らかに中学生や高校生の時に比べて筋が硬直していると感じます。
年齢を重ねるとともに伸びなくなるのを受け止めるのではなく、できるだけ動かし続けられるだけの練習と対策をしておく必要があると感じています。

まとめ

今回はオクターブが届かないときにどのように弾くかと手を開くための練習を紹介しました。
幅の広い和音は深みのある音が出せますし,ドビュッシーなどの曲では幅広い音域の和音がとても魅力的に響きます。
オクターブが届きにくいという人は一番最後に紹介した指を広げるためのストレッチをぜひやってみていただきたいです。少しでも結構効果を感じられると思います!
この記事が皆さんの役に立てば嬉しいです。

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