全ての鍵盤が見える姿勢【演奏するときの頭の位置】

ピアノ

ピアノを弾いているとき皆さんはどこを見ているでしょうか。自分の手を見ている人や楽譜を見ているなど色々な人もいると思いますが,今回はピアノを弾いているときの目線を考えてみます。

ピアノの鍵盤がすべて見える位置を意識する

ピアノを弾くときに限らず自分の視野がどのくらいか把握している人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。120°~180°など人によって視野角は様々だと思いますが,自分の視野を把握した上で鍵盤が視野の全てに収まる頭の位置があると思います。その首の位置は,意外と姿勢よく座った時の首の位置になるのではないでしょうか。鍵盤全体を常にはっきり見るということは難しいと思いますが,ぼんやりと視野の中に入れるという位置を意識するだけで姿勢が少し改善すると思います。

初心者や姿勢が悪い演奏者にありがちなこと3選

ピアノを始めたばかりの人や姿勢が悪い演奏者にありがちなこととしては以下のことがあります。

  • 手ばかり見てしまう
  • 目線の移動がワンパターン
  • 視野が狭くなってしまう

手ばかり見てしまう

ピアノを弾いている時に,音のミスタッチが内容に真剣に鍵盤や手を見て弾くという人も多いと思います。目で見ながら弾いた方が確実性も高いので悪くはないものではありますが,目に頼って弾いてしまう習慣がついてしまう可能性があります。ピアノを効率よく上達するためには,動きのパターンを手に覚えさせるということが非常に重要と考えています。ある程度上達してきた人は目をつぶって練習したり,常に楽譜を見ながら弾くことで手から目を離して弾けるようになるとミスタッチが少なくなるとともに,自分の音にもっと集中できるようになります。また,キーボードのブラインドタッチと同じ要領でどこに何の鍵盤があるのか感覚でわかるようになると譜読みも早くなるとともに,演奏の確実性も生まれます。タイピングとは必ずしも対応しない技術もありますが,ブラインドタッチ同じ要領で鍵盤を見ずに弾くことができると,手の感覚が研ぎ澄まされるので自然とミスタッチの少ない演奏に近づきます。

目線の移動がワンパターン

小さい頃の私は「ここの小節は楽譜を見て,次の小節は手を見て」のようにいつも決まった目線の移動をしていることがよくありました。目線がいつもの動きとは違うところに移動してしまうと,途端に演奏ができなくなります。例えば,同じ曲でも違う楽譜を見ながら弾いてみると,いつもと楽譜の段組みの構成が違う場合にそこでミスタッチをしたり,つっかえたりしてしまいます。こうした目線の移動については,先ほどのいつもと違う楽譜を使ってみることや連弾をしてみると良いかもしれません。特に譜めくりをつけて連弾をすると,譜めくりのタイミングが人によって違うことがあります。その時に目線の移動がワンパターンの人は,自分のペースが崩されてしまう場合があります。目線の移動にある程度自由度があったり,いつも色々なものが見えているような人は自分のペースが乱されにくいと思います。

視野が狭くなってしまう

手ばかり見てしまうということと近い内容ではありますが,多くの人はピアノの全ての鍵盤が視野角の中に入るように座ることは可能です。しかし,集中すれば集中するほど自分の10本の指や自分の片手しか見えなくなってしまう人がいます。ピアノを弾いている時は,多くの場合で両手で演奏しますので,視野が狭くなることは演奏のミスにもつながりやすくなります。視野を広く持とうとすると,演奏時の視野が広くなるだけでなく客観的な演奏も身につきます。これは,演奏している自分をより俯瞰して見れるようになるためと考えられます。はっきり見えていなくても問題ありませんので,ピアノの一番高い音の出る鍵盤と一番低い音の出る鍵盤を見れるような位置に一度座って曲を演奏してみてみてください。そこまでの鍵盤を使わない曲が多いと思いますが,案外自分の視野が狭くなっていることを感じられると思います。

視野を意識した演奏ができるようになると…

ピアノの演奏をしている時に目線が自由に動かせるようになると,演奏に余裕が生まれます。演奏への余裕については色々な記事で触れているところですが,演奏への余裕は演奏技術以外の様々な要素が含まれます。私は目線を意識するようになって,今まで狭い部分しか見ていなかったということがよく分かりました。楽譜を見ながら演奏する場合であっても,今弾いているところを注意深く見るのではなく,楽譜の集中してみる部分以外も視野に入るような見方ができればもっと初見演奏が上手くなれるのではないかと考えています。

まとめ

今回はピアノを弾いているときの視野に注目して記事にしてみました。スポーツでも視野が広いという言葉はポジティブな言葉としてよく使われますが,それはピアノの演奏でも同じだと思います。いつも手元ばかり見て弾いてしまうという人はハノンやリトルピシュナといった譜読みがそれほど大変ではない曲を使って,まずは楽譜を見ながら演奏するという習慣をつけられると良いと思います。そして,徐々に広い視野を持って演奏ができるのが理想です。私も楽譜を見ている時は楽譜の小節に集中してしまって初見演奏が止まってしまうこともありますが,できるだけ広い視野を持って演奏できればと思っています。

ゆきふり

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