カバレフスキーのソナチネ【比較的簡単で聴き映えがする曲です!難易度を解説】

ピアノ

曲紹介:カバレフスキーのソナチネ

カバレフスキーは私も大好きな作曲家の1人です。非常に有名な曲としては組曲「道化師」でしょうか(運動会などで流れるイメージの曲です)。

今回はカバレフスキーのソナチネを紹介します。

カバレフスキーの2つののソナチネ

カバレフスキーの2つのソナチネは最近は小学生でも発表会で演奏されることがある曲です。指が早く回るような細かく難しいテクニックが必要ではありませんが,和音をはっきり演奏したり,メロディーを歌うような部分や手が交差したり右手と左手を使ってメロディを受け渡しながら弾くようなテクニックも使う曲となっています。

ソナチネとはソナタ形式(提示部→展開部→再現部)の小さいものと思っていただければ大きく間違っていることはありません。最初の提示部でテーマが示され,展開部で曲にふくらみがでるような新たなテーマが導入されます。そして,再現部では,提示部で扱ったテーマが変奏されたような形で出てきます。

カバレフスキーは2つのソナチネ(Op.13-1と2)を作曲していますが,これらの曲は一度発表された後,1969年に一部改訂されているものだそうです。両方について少し解説します。

ソナチネ(Op.13-1)

YouTubeで演奏動画がたくさんありますが、とても有名な曲の部類に入るのではないかと思います。非常に爽やかな曲で手が小さくても弾ける曲です。

第一楽章は最初の和音が平行調のイ短調の和音を使った不思議な響きから始まります。第1主題の歯切れのよい和音で縦に決めていく音形は弾いているととても楽しいです。また,第2主題はとてもしっとりとした曲調になります。

第二楽章は個人的な印象ですが孤独な冬を思わせるようなゆったりとした歌のような印象の曲です。曲の途中で「ピチカートのように」という指示があるのも特徴的です。音の数が少ないですが,聴かせる演奏にするのはとても難しいです。

第三楽章は流れるようなスピード感のある曲です。右手と左手で8分音符のメロディを弾きつぎながら,8分の9や8分の6拍子,4分の2拍子,8分の12拍子のような拍子が様々に展開するリズミカルな曲となっています。

ソナタ形式としてはかなりかっちりしたものですが,全体として幻想的な美しいソナチネです。

ソナチネ(Op.13-2)

こちらのソナチネはあまり発表会の演奏動画は多くない印象があります。Op.13-1と比べて少し自由な印象があります。

第一楽章では左手のオクターブが特徴的です。また,両手でカノン形式(メロディの追いかけっこ)で弾く部分もとても印象的です。現代的な響きの曲に慣れていない人が弾くと独特な音の響きで譜読みをしたときに不安になるかもしれません。

第二楽章では付点八分音符のリズムで展開されていきます。このリズムは第三楽章でも出てくるものであり,その導入といった位置づけかもしれません。

第三楽章は,Vivaceで始まる爽やかな曲です。この曲は有名な組曲「道化師」の終曲に通じるような響きや曲の展開を感じられます。

ソナタは2曲ありますが,私はOp.13-1が特に好きです。ソナチネとしてもかなり分かりやすいだけでなく,何より弾いていてとても楽しいのでお気に入りの曲です。

もう一つのソナチネ(Op.27-18)

カバレフスキーのソナチネには2つのソナチネ以外に,こどものためのピアノ小曲集(Op.27)に含まれているソナチネがあります。

こちらのソナチネは私が小学生の2回目の発表会で演奏させてもらったとても思い出のある曲です。イ短調であるのに現代的な響きであることから、演奏会が終わってからもとても気に入って弾いていた記憶があります。

Op.13-1よりも曲は短いですが,非常に似た響きの曲です。付点八分音符をかっこよく弾くととても聞き映えがします。小さい子やピアノの初心者の発表会にはおすすめです。(大人が弾くと曲の展開がより深くなるかもしれません。)

こちらのソナチネは私が小学校低学年で弾けるというくらいなので、比較的簡単にカバレフスキーの曲の響きを体験することができます。なお,曲集には他にも様々な曲があります。どれもカバレフスキーの美しい響きが使われた曲です。

まとめ―初心者でも楽しく演奏ができる曲―

カバレフスキーのソナチネは少し現代的な和音も多く,バッハやモーツァルト,ベートーヴェンといった古典の曲が苦手だったり,あまり好きではない人はこうした曲から取り組んでみるのはいかがでしょうか。

基礎テクニックの向上ももちろん必要ですが,曲をどんどんこなしたい,読譜のスピードを上げたいといった方にはとてもおすすめです。

初心者や中級者でもかなり取り組みやすい曲ですので,レパートリーのひとつに加えてみると良いと思います。まだ人前で自信を持ってこれらの曲を披露できるレベルではありませんが,簡単な割にかなり聴き映えがする曲ですので,これらのソナチネを練習してどこでも披露できるようなレパートリーのひとつに加えようと思います。

ちなみにカバレフスキーは1987年に生涯を閉じているため,人によっては作曲者本人が生きている間に演奏できた人もいらっしゃるかもしれません。羨ましいです!

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