Last updated 21/11/21
ピアノを習うと基本的にはシャープやフラットのないハ長調(ドレミ)から習うと思います。
それだけ,ピアノを弾く人にとっては「ド」の位置はとても基本的となるものと思います。
「ド」の位置がどこにあるか改めて把握することで,楽譜は格段に読みやすくなるので今回は鍵盤のドの位置と五線譜のドの位置の対応を見てみます。
過去には別の楽譜の読み方も記事にしていますので,こちらもご参照ください!
ドの位置は対称になっている
五線譜の「ド」の位置
ご存知な人もいらっしゃると思いますが、五線譜上の「ド」の位置は対称に記譜されます。
五線譜上の音を見てみると次のようになります。
- 真ん中の「ド」
- 五線譜内の外側から2つ目の線の間の「ド」
- 2本目の加線の上の「ド」
- 5本目の加線より1音上の「ド」
言葉で説明すると少し難しいですが,上の図(五線譜)を見てみると,ト音記号とヘ音記号で「ド」の位置が「真ん中のド」を中心に対称に配置されていることが分かります。
つまり,図のト音記号の「ド」の位置が分かればそれと対称の位置もヘ音記号も「ド」となります。
これが分かれば,もし,ト音記号の譜読みが得意な人だけどヘ音記号の譜読みが苦手だという人はト音記号の位置を参考にヘ音記号のドを読むということが可能になります。
ト音記号の楽譜は読めるけどヘ音記号に苦手意識がある人でもこの方法を使えばヘ音記号の五線譜の「ド」の位置だけはパッと読めるようになるのではないでしょうか。
真ん中のドから一番遠いド(図の左から4つ目の「ド」)は加線が5本となるため,弾きながら瞬時に「ド」と判断するのは訓練を積まないと難しいかもしれません。
しかし、曲ではあまり多く出てこないので重要度はあまり高くないと割り切っても良いと思います。
鍵盤上の「ド」の位置
五線譜の4つの「ド」の位置を鍵盤に記載すると下の図のようになります。(ここでは,いわゆる「真ん中のド」と呼ばれる位置から3オクターブの範囲となっています)
五線譜と対応させてみると,鍵盤のかなり広い範囲までカバーされていることが分かります。実際はオクターブを表す8vaという記載があるので加線が5本以上のものを見ることはあまりありませんが,加線が5本まであるとこの範囲までカバーできるという目安としてただければと思います。
特に左手については一番低い音のギリギリまでがカバーされていることが分かります。
どうやって楽譜を読めるようになったのか【私の経験談】
最初にピアノを習っていた時
私がピアノを習ったときは右手を左手のドの位置(五線譜の左から2つ目の音)を教えてもらい,そこからドレミを数えて片手ずつ読んでいました。
それ以外のことは特に教えてもらわず,五線譜内の音も五線譜からはみ出た音もドレミを数えて読んでいた記憶があります。
また,すぐに読めない音については音符の上下に音名を書いていました。今思えば音名を書くと楽譜を読む(音符を見る)ことを放棄してしまうためあまりおすすめはしません。
ドレミを数えて読んでいるうちにメロディを弾く右手(ト音記号)であればスラスラ読めるようになりましたが,左手はとても読むことが苦労しており苦手意識がありました。
曲が弾けるようになるまでの時間がとても苦しかった記憶があります。
小学生高学年から中学生の時
左手の譜読みを早くするために,今回の記事で取り上げた「ド」の位置について覚えました。「ドの位置」を覚える前に比べてかなり早く楽譜を読めるようになった記憶があります。
たったこれだけですが,ヘ音記号の楽譜についての抵抗がかなり少なくなり,難しい曲でも頑張ってしっかり譜読みができるようになりました。この頃は片手ずつ練習して,弾けるようになってから両手で弾くような練習をしていた記憶があります。
また,ト音記号とヘ音記号について最初にドレミの音名で歌ってみるという練習もしていました。この練習を積んだことで「楽譜の音」→「ドレミ」への変換はかなり早くなったと思います。
しかし、曲を弾くときは曲全体を覚えてしまえば良いだろうという意識が強く初見演奏への興味があまりなかったのもあって,基本的には五線譜と鍵盤の位置をそれぞれ対応させて読むという方法は特にしていませんでした。
今思えば,レッスンで習っていた曲だけをさらっていましたが,この頃にもっと早く楽譜を読むために簡単な曲の譜読みをたくさんしていれば…と思う時期です。
高校生から今に至るまで
練習時間が少しずつ減り,レベルの向上をするためにはもっと早く楽譜を読めるようになりたいと思い,「五線譜の音」→「鍵盤の位置」ができるように色々と訓練を積んでいきました。
数年間ピアノから離れていた時期もあり,譜読みがかなり衰えたこともありましたが,現在は色々な曲をたくさん読むようにもなり,少しずつ曲が弾けるようになるまでの時間が短くなっていることを感じています。
まだまだ未熟で初見で弾ける曲のレベルは高くはないので、どんどん楽譜を読む速さを高めるとともに、楽譜を見て一度で理想な演奏ができるようにもっと訓練を積んでいきたいなと考えています。
まとめ
楽譜を読むときに色々なテクニックがあると思いますが,今回は「ド」の位置を考えてみました。
得意を活かして苦手を克服するという方法に似ているかもしれませんが,ト音記号の「ド」の位置が分かればヘ音記号の「ド」の位置は簡単に押さえることができます。
私の知り合いでピアノの初心者に「ド」の位置を教えたところ,左手の譜読みが楽になったという人もいました。もし譜読みに苦戦している人やいつも譜読みに時間がかかってしまうと悩んでいる人はぜひ譜読みを進めるためのきっかけの一つとしていただければ嬉しいです。
この記事が皆さんの何かに役立ちますように。