初心者からピアノを始める人に向けて【トンプソン現代ピアノ教本を考える:特に大人の初心者に向けて】

ピアノ

初心者からピアノを始める教本のひとつ(トンプソン現代ピアノ教本)

ピアノの教本としてみなさんはどのような教本を使ったことがありますか?

私はヤマハ音楽教室に通っていたため,バイエルやトンプソンという教本には触れたことがなかったのですが,初心者向けの教材としていずれも効果的な教材だと思いました。今回はそのうち「トンプソン現代ピアノ教本」を紹介してみます。

トンプソン現代ピアノ教本とは

トンプソン現代ピアノ教本は全5巻からなる曲集です。教本を進めていくうちに様々なスタイルの曲に取り組むことができるほか,曲の難易度の上昇が緩やかであるため,初心者でも挫折せずに練習を進めていくことが可能だと考えられます。

最初は5本の指を使うための鍵盤の位置が示されており,1巻では鍵盤に置く指の場所が決められており,新しい調号の曲を弾く場合にはその都度解説が書いてあるという非常に初心者にもやさしい構成となっています。2巻以降も半音階やペダルの踏み方,装飾音符の弾き方などが記載されているだけでなく,「ワルツ」や「ロンド」,「ソナタ」とはどういった曲かという解説も記載されています。

ピアノの教本として何を選んだら良いか分からない人にとっては,最高におすすめする教材です。特に,大人の初心者や一度辞めていたけれど再開するといった人にとっては目から鱗ともいえる情報がたくさん掲載されているため,ぜひ一度は目を通していただきたいと思える教本です。

トンプソン現代ピアノ教本のメリット

  • 文字通り一から練習できる
  • ピアノ曲以外の曲も学べる
  • 大人に近づくほど内容を深く学べる
  • 音楽用語や作曲家を積極的について知ることができる。
  • 必要な技術の最低限度が身につく

文字通り一から練習できる

トンプソン現代ピアノ教本の第1巻は基本的な手の位置と鍵盤の位置が示されており,手の位置の移動がない曲からスタートします。また,四分音符以上の長さの曲から八分音符の曲など徐々に難易度が上がっていきます。第2巻では手の位置の移動が拡大されていき,親指の位置の移動する練習から,スケール,カデンツ,アルペジオといった基礎的な技術を曲の中で練習できます。

第3巻以降は音楽的な面とピアノ演奏技術の両面を進歩させるために様々な変化に富んだ曲が選曲されています。第5巻まで全ての曲を演奏することで,技術的な部分はもちろん音楽的な部分についても必要な音楽の基礎的な知識についても一通り学ぶことができます

ピアノ曲以外の曲も学べる

ピアノ曲だけでなく,交響曲やオペラなどのオーケストラの曲のピアノ編曲版だけでなく,黒人霊歌のような日本のピアノ教育の中ではほとんど出てこないような曲を弾くことができます。また,どこかで聴いたことがあるピアノ曲も多く取り上げられているため,聴いたことがある曲だけ拾って弾いてもかなり楽しく練習することができると思います。

オリジナルの曲もありますので,全ての曲を弾くと多様なジャンルや演奏方法を使う曲を体験することができます。

大人に近づくほど内容を深く学べる

楽譜が目の前にあるとすぐ音にしたくなるのはもちろんですが,それ以上に弾き方の解説もとても充実しています。子どものうちは書いてある言葉の意味や内容を心の底から100%で理解することは難しいかもしれませんが,大人に近づくほど,書いてある内容をはっきり理解することができるようになるため,効果的に学ぶことができると思います。

小さい頃からピアノを習っている人はもちろんですが,大人になってから再開したり,大人になってから初めてピアノを学ぶ人が取り組むアプローチとして最適な教本の一つだと思います。もちろん,いい先生についてレッスンをしてもらうということも重要なので,教本だけに頼るということではありません!

音楽用語や作曲家について積極的に知ることができる

曲の前や曲と曲の間のページに曲の解説が書いてあります。例えば,3巻ではアクセントとして「>」で記載されているものと「^」で記載されているものの違いが記載されていたり,演奏解釈としてテンポやタッチの注意点などが示されています。また,冒頭にも記載しましたが,「ソナチネ」,「ワルツ」,「タランテラ」といった音楽用語も解説されているほか,「ボッケリーニ」や「ルービンシュタイン」,「リスト」などの作曲家についても解説がされているため,ピアノの練習を進めると同時に曲や音楽の背景なども学ぶことができます。

必要な技術の最低限度が身につく

演奏技術の細かい部分や高度なテクニックまでを身につけることは難しいですが,ピアノ曲を弾く上で必要になる最低限度の技術は一通り身につけることができます。しっかり身につければ,音楽的な大きな間違い(例えば,テンポの考え方やフレーズの盛り上がり,拍子感などの間違い)は少なくなると思います。

一方で,技術レベルとしては何でも弾けるレベルになるまでのものが含まれているわけではないので,さらに高いレベルの技術を身につけるためには,ツェルニーやクラーマ―=ビューロー,モシュコフスキーなどに取り組んで,ショパンのエチュードに挑戦していくという高度なテクニックを身につけるための曲集に取り組むと良いと思います。

こういう人に使って欲しい

トンプソン現代ピアノ教本は,こんな人が使うと効果があると思います。基本的には様々なレベルの人に効果がありますが,できれば1巻から順番に取り組んだ方がいいと思います。

  • たくさんの曲を練習したい人
  • これからピアノを始める初心者
  • 大人になってピアノを再開する人
  • どのようなピアノ教本を使えばいいか分からない人
  • ピアノを習っているけど,さらに自分で何か教本を使ってみたい人

まとめ

今回は初心者におすすめな教本として「トンプソン現代ピアノ教本」を紹介しました。

私はこうした初心者~中級者向けの教本の存在をあまりよく知らず,初めて購入して譜読みの練習を兼ねて取り組んでみましたが,解説がとても充実していて,本当にためになりました。

ピアノの先生に習うことは上達の近道のひとつと思いますが,昔ピアノを習っていて,今はレッスンに通う時間はないけど,ピアノを再開したいという人には非常に効果的な教本だと思います。また,古典派のピアノ曲だけでなく,オーケストラ曲や黒人霊歌などジャンルも様々な曲が取り上げられているので飽きずに練習をすることが可能かと思います。

様々なジャンルの曲を自由に弾きこなすことやピアノの技術を改めて位置から見直すためにも「トンプソン現代ピアノ教本」は一度弾くだけでなく,時々しっかりと復習したい教材だと思いました。これからも上達へ向けて一歩一歩進んでいきたいです。

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