目をつぶって練習をする効果【感覚を研ぎ澄ませる】

ピアノ

目をつぶって練習をすることに意味はあるのか

ピアノを演奏するときに目をつぶって弾いてみたことはありますか。
普段は視覚を利用して演奏していることが多い人は,たったこれだけで世界はかなり変わります。
今回は目隠しをして(目をつぶって)練習する効果について記事にしてみます。

手元を見ないで弾く練習をやってみる

普段から視覚を使ってピアノを弾いている人はなかなか手元を見ないで弾くということができないかもしれません。
あまりやったことがない人はハノンやいつも弾いている簡単な曲でも構いませんので,目をつぶって弾いてみてください。
ハノンのような同じパターンで演奏する曲でも目をつぶっただけでミスタッチが出てしまうという人もいらっしゃると思います。

これは手の中に鍵盤の位置関係の感覚が入っていないためと考えられます。
また,目をつぶって弾けるようになるということはよそ見をしていても弾けるということになりますが,言い換えれば楽譜を見ながら演奏できるということにも繋がります。

案外,鍵盤を見るという視覚に頼って弾いてしまっている人は楽譜を見ながら演奏する場合でも,楽譜を端から端まで見て弾いているのではなく,飛ばしながら楽譜を見ていたり,目線を外して弾いてしまう癖がついていたりします。
そうしたことがなくなるので,手元を見ずに演奏することは楽譜を見ながら演奏するという初見力の向上のための一歩を踏み出すことができます。

目をつぶって弾けるようになると目を開けて弾いたときに自信がつく

目をつぶって弾くのは普段から視覚に頼っている人はハノンでさえ難しく感じるかもしれません。
しかし,目をつぶって一通り弾けるようになってから目をあけて弾いてみるととても安心感が得られると思います。
当然ですが,ピアノを弾くときに手元を見ないで弾くことができるようになるとミスタッチが減りますし,しっかり演奏できるという自信も付きます。
もし,発表会で演奏する曲があって一通り弾けるようになったという人は目をつぶってミスタッチがなくなるまで練習することをおすすめします。
いつも発表会では緊張して弾けなくなってしまう人にはとくにおすすめで,本番で「あれだけ練習したんだ」という自信がつくだけでなく,見なくても弾けるレベルで見ながら弾けるということはいつもよりもかなり高いレベルからレベルを落として演奏することができるので,演奏をするときの余裕も生まれます。

ピアノを弾く上では視覚や聴覚だけでなく,触覚にも頼った演奏をすることができるとミスタッチが劇的に減るのでそうした細かい感覚を磨くことはとても大切です。

触覚を使った演奏については過去にも記事にしていますので,興味のある方は見ていただけると嬉しいです。

目をつぶって弾けるまで練習すると自然にできるようになること

目をつぶってある程度自信を持って演奏ができるようになるとミスタッチが単純に減るだけでなく自分の音が一層よく聴こえるようになります。

耳を澄ませて聞いてみるという動作をすると自然と目をつぶることがあるように,自分の感覚の中の一つを研ぎ澄ませるために他の感覚を遮断することが効果的です。

また,目をつぶって弾くのは最初のうちはいつも以上に一生懸命になって演奏に集中することになりますが,目をつぶって弾けるようになると技術的な余裕が生まれるようになるため,目を開けて弾いたときであっても自分の演奏している音をよく聴くことができるようになります。
目をつぶって弾くという練習は暗譜にも役立ちますので,今までの練習の幅を広げつつ,新たな価値観の下で練習をして演奏に磨きをかけるときにとても役に立つかもしれません。

まとめ

今回は目をつぶってピアノを演奏する効果について記事にしてみました。
私は小さいころに習っていた先生に「目をつぶって弾けるくらい練習しなさい」ということをよく言われていましたが,これは視覚に頼らない演奏をできるようにという言葉だったのかなと思います。
ぜひ感覚を研ぎ澄ませてミスのない十全な演奏ができるように,目をつぶって練習するという機会を取り入れていただければと思います。

この記事が少しでも皆さんの役に立てば嬉しいです。

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