家にピアノを置けないけどピアノを弾きたいという人は電子ピアノが選択肢になると思います。色々な事情があってピアノが置けない人のために,ここでは電子ピアノのメーカーを比較します。
※価格は参考で2021年5月のものを示しています。
電子ピアノは本物のピアノとは違う
最初にここだけははっきりするべきところですが,電子ピアノは本物のピアノとは異なります。
最近は本当に技術が進んでおり,本物のピアノにかなり近い性能を持つものもあります。ただ,ピアノ独特の音の残り方や響きについてはやはり本物のピアノの方とは多少違います。
しかし,マンションやアパートなどに住んでいて周りの人に迷惑をかけてしまうことや価格の面でピアノを手に入れることができないという人はこの選択肢がメインになると思います。
最近は色々な貸しスタジオもありますので,普段の練習は電子ピアノで弾いて,発表会の直前などの練習については実際のピアノを使って練習をすることもできます。
どのくらいの価格帯のものを選べばよいか
ピアノを始めてみたいという人であっても,初心者から中級者以上でしっかりピアノを弾きたいという人であってもしっかりした電子ピアノを買うべきだと思います。最近は安価でタッチがしっかりした電子ピアノも登場しているのですが,できれば指弾して強弱が出せるもののの中でタッチがピアノとあまり遠くならないものを選べると良いです。
1~2万円の電子ピアノ(キーボード)はエレクトーンのようなかなり軽いタッチのものもあり,実際のピアノとのギャップがかなり大きくなってしまいます。なお,少しお金に余裕がある人は10万円以上のものにすると,選べる幅が広がりますし,さらに本物のピアノにかなりタッチが近くなります。
電子ピアノは楽器屋さんよりも家電量販店に展示しているものの方が様々なメーカーのものを多数置いていることがあるため,家電量販店に足を運んで弾き比べてみるといいと思います。
代表的なメーカー5選
電子ピアノの代表的なメーカーには以下のものがあります。今回はこの中から5つのメーカーについて紹介します。
- YAMAHA
- RORAND
- KAWAI
- CASIO
- KORG
YAMAHA(ヤマハ)
楽器メーカーとして大手のYAMAHAからは以下のシリーズがあります。
- Clavinova(クラビノーバ):約17万円~
- ARIUS(アリウス):約9万円~
- Pシリーズ:約4万円~
Clavinova(クラビノーバ)はYAMAHAの電子ピアノとして最も有名なものと思います。グランドピアノのようなタッチを再現することを主眼に置いています。価格が少し高く一番安価なモデルで15万円以上します。ARIUSシリーズは約10万円です。Pシリーズは卓上で使用できるような鍵盤です。ピアノを弾くということであれば,YAMAHAの中で選ぶのであればARIUSシリーズくらいお金を出せると良いですが,これからピアノを始めたいという人はPシリーズでも十分かと思います。
RORAND(ローランド)
電子ピアノと言えば,近年はRORANDが多い印象があります。RORANDには以下のシリーズがあります。
- GPシリーズ:約60万円~
- LXシリーズ:約24万円~
- KIYOLA:約35万円
- HPシリーズ:約15万円~
- DP603:約15万円~
- FPシリーズ:約10万円~
- RPシリーズ:約10万円~
- Fシリーズ:約8万円~
- GOシリーズ:約3万円
ほぼ同じ価格帯にも似たようなシリーズが展開されています。私の習っていたピアノの先生はRORANDのピアノが良いよ~とよく仰っていました。確かに色々なお店で置いてあるピアノを弾いて見ると,RORANDはタッチが実際のピアノに近いと思います。
私が次に電子ピアノを買い替えることがあれば,RORANDのピアノを選びたいと現在のところは思っています。
KAWAI(カワイ)
KAWAIのグランドピアノと言えばGXシリーズとShigeru Kawaiシリーズがあります。個人的にはShigeru Kawaiのグランドピアノは弾きやすくて好みです。なかなか弾ける機会はありませんが,同音連打がしやすかったり,音色のコントロールがしやすく非常にいい音がでる印象があります。
KAWAIの電子ピアノは以下の通りです。
- NVシリーズ:約70万円~
- CAシリーズ:約20万円~
- CNシリーズ:約15万円~
- ESシリーズ:約9万円~
- MPシリーズ:約20万円~
- VPC1:約18万円
KAWAIはピアノメーカーとしても非常に有名ですが,電子ピアノの音はカワイフルコンサートグランドピアノEXが使われています。最高レベルのNVシリーズでは,グランドピアノのアクションを搭載しているということですが,その分値段も非常に高いです(約100万円)。KAWAIのHPに電子ピアノの動画もアップロードされているので,気になる人は確認してみると良いと思います。
CASIO(カシオ)
CASIOも電子ピアノでは非常に有名なメーカーだと思います。私はCASIOのPriviaを数年間愛用しています。
- CELVIANO:約10万円~
- Privia:約6万円~
Priviaは比較的安価で手に入れやすい価格です。実際のピアノのタッチとは少し違う部分もありますが,音量の変化や音色のイメージをつけるためには十分なものだと思います。CELVIANOは最上級レベルになると,ベヒシュタインの音でサンプリングされているそうです。
CASIOの電子ピアノは値段のわりにコストパフォーマンスが非常に高いものだと思います。私が使っているということもありますが,もしピアノの初心者でこれからピアノを始めたいという人にはPriviaがおすすめです。
KORG(コルグ)
KORGはシンセサイザーやアンプなどで非常に有名なメーカーだと思っています。KORGからも多くの電子ピアノが発売されていますが,その中で代表的なものは以下の2種類です。
- CONCERT Series Digital Pianos:約5万円~
- Digital Pianos:約5万円~
CONCERT Series Digital Pianosのシリーズは鍵盤のアクションもKORGでは3種類の鍵盤がありますが,RH3(リアルウェイテッド・ハンマー・アクション3)というアクションであるものを選ぶと良いようです。
電子ピアノを選ぶときにこれだけはチェックしておくべきこと!
電子ピアノを選ぶとき色々な要素があると思いますが,ヘッドフォンが必要とか,スピーカーが必要とかそういった部分以外のピアノを弾くという上で絶対にチェックしておくべき内容は以下の4つです
- 鍵盤の重さ(タッチの感覚)
- ペダルの感覚
- 音色
- 最大同時発音数
鍵盤の重さ(タッチの感覚)
最も重視するべきなのは,鍵盤の重さやタッチの感覚が実際のピアノに近いかというところです。家電量販店や楽器店などで電子ピアノを弾いて見ると楽器によって少し個性があります。できれば,ピアノのタッチに近いものが良いですが,できれば高い楽器から試していくとタッチの妥協点が判断しやすいかもしれません。
ペダルの感覚
電子ピアノにはペダルがペタペタのものもあります。グランドピアノでもペダルの重さは個々の楽器で違いますが,あまりにペダルが軽すぎたり,踏みにくかったりするものは練習には少し向かなくなってしまいます。安価なモデルでは鍵盤は良いけどペダルがいまいちというものもあるようです。指弾できる環境がある場合はぜひペダルまで確認していただくと良いと思います。
音色
電子ピアノも電子楽器とはいえ,メーカーやモデルによって微妙に音色が異なる場合があります。そのため,音色が気に入るかという部分もポイントとなります。さらに,タッチの感覚とも関係してきますが,強弱を変えられるかという部分も一つポイントになります。
最大同時発音数
同時発音数というとすこしなじみのない言葉ですが,一度に鳴らせる音の数になります。電子ピアノでは88鍵全て鳴らないというものもあります。最近の電子ピアノはほとんどが88鍵鳴らしても音がでないということはないと思いますが,もし安価なモデルの購入を検討する場合は確認しておくと良いです。
まとめ
音の響きや楽器の反応は本物のピアノとは違いますが,そもそも楽器がない場合とある場合では大きく違います。ペダルはペタペタでも頑張るという人は約5万円もあれば音色もタッチも十分なものが揃うようなので参考にしていただければと思います。
ゆきふり