ピアノを片手ずつ練習する方が効率が良いのか?

ピアノ

ピアノを弾くときに片手ずつ譜読みするという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

理想は最初から両手で完璧に弾けることと思いますが,弾いている曲が難しい場合は片手ずつ練習した方が効率的な場合があります。

今回は片手ずつ練習することの大切さについて記事にしてみます。

ピアノの譜読みをどうしていますか?

発表会で弾きたい曲やピアノのレッスンで弾く曲に初めて取り組むとき、ピアノの譜読みはどう進めているのでしょうか。

私はピアノから遠ざかっていた後にピアノを再開したら曲を完成させるまでの譜読みの仕方が分からなくなるというピアノ弾きとしてはあり得ない事態が発生したことがあります…。

譜読みにおいては「最初は片手ずつ弾く」場合と「最初から両手で弾く」場合の2通りがあります。

私は昔は最初からインテンポで両手で弾こうとするというとても無謀な譜読みをしていましたが,少し譜読みの仕方を見直してからは最初から両手でゆっくりのテンポで弾くということが多くなりました

ただ,曲の難易度によっては片手ずつ練習した方がトータルの練習時間が短くなる場合も多いと感じています。

もちろん、楽譜をパッと渡されて曲が弾けるというスキルもとても大事だと思いますが、片手ずつ弾く場合と最初から両手で弾く場合の練習の効率どんな時にどちらの譜読みをした方がいいかということを考えてみます。

結論:初見で弾ける(戦えそうな)レベルは両手で初見では戦えないレベルは片手ずつ

ピアノの中級者以上の方は最初から両手でさらうという人は非常に多いと思います。

両手で弾いた方が演奏する音の数も多く,片手で弾いているよりも豪華な響きがするため弾いていて楽しいと感じることができると思います。

私は両手で譜読みを始める方が多いですが、それは右手も左手も初見レベルでスラスラ弾ける場合であって、右手のみあるいは左手のみを初見レベルでスラスラ弾けないのに両手で弾こうとするのは少し効率が良くないのではないかと最近は特に思います。

最初から両手で弾く場合

練習では弾けないところを徐々に弾けるようにすることが重要です。

誰もが頭では分かっているものの、弾けないところを弾けるようにするというのは少し忍耐がいるため、回数をこなして弾けるようにするという人も多いかもしれません。

より短い時間でよりたくさんの曲を弾けるようになるためには、両手でたくさんの回数を弾くよりも、片手で完璧に弾けるようにしてから両手で合わせた方が早いという考え方もあります。

両手で最初から譜読みした場合と片手ずつ譜読みして練習を進めてみて,曲を譜読みするときにどちらの方が自分に合っているか知ることが大切だと思います。

片手ずつ練習することのメリット

私が考える片手ずつ練習するメリットには以下のことがあります。

  • 片手に意識できる(両手よりも考えることが少なくなる)
  • 苦手なところがはっきりする

片手に意識できる(両手よりも考えることが少なくなる)

両手で弾くと自分の10本の指を動かすことになるだけでなく,腕を左右に動かさないといけないことから動かす指や弾くポジションなど考えることが非常に多くなります。

一方,片手ずつ弾く場合は両手と比べて考えることが少なくなるため,より濃密な練習をすることが可能となります。

苦手な部分がはっきりする

片手ずつ練習をすると,自分が弾いていて上手くいかない部分がなぜ上手くいかないかという分析がしやすくなります。

動きそのものを覚えていないから弾けないのか,ちゃんと鍵盤を押していないのに次に移動しようとしているのか,重音の弾き方が上手くないなど自分の苦手な部分を把握し,その対策を取ることができるようになります。

苦手な部分がだんだんと少なくなるとピアノがどんどんうまくなります

片手ずつ練習すると気になること

ピアノを片手ずつ練習するということは練習の効果が高いですが,多くの人は片手ずつピアノを練習すると以下のようなことが気になるかもしれません。

練習の時間がかかる

左手の練習回数が少なくなってしまう

左右の手でメロディを受け渡しする曲では難しい

練習の時間がかかる

ピアノを練習する上で練習効率ということは当然考えると思いますが,片手ずつ練習すると練習する時間がかかってしまうのではないかと感じてしまうことがあります。

しかし,これは必ずしもそうではなく,片手ずつ弾いた方が確実な動きが身につくため,両手で練習し続けるよりも練習効率が高くなることが多いと思います。

もちろん,最初から技術的に問題なく,表現だけを練れば良いという時は両手で練習していくということも練習の効率を考えると良い場合もありますので,そういう場合にわざわざ片手ずつ練習するということには抵抗があることもあるでしょう。

片方の手の練習回数が少なくなってしまう

片手ずつ練習する場合,多くの人は右手から練習するのではないでしょうか。

右手にはメロディがあるため右手の練習を多く行うものの,同じ回数だけ左手も練習しているという人は案外少ないかもしれません。

効率よく上達をしていくためには,苦手なものをクリアするということが重要ですが,得意なことを伸ばすということももちろん大切になります。

片手ずつ練習した時に弾けない方の手の練習は途中で諦めてしまうことがありますが,それを超えてしっかり弾けるまで練習するということが上達のためには欠かせません。

ただ,根性論ではなかなか上手くはなれませんので,片手ずつでも太刀打ちできないような場合は少し音形を変えたり,音の数を減らしたりして一度クリアできるハードルを下げてから徐々にもとの音形に近づけていくと良いかもしれません。

左右の手でメロディを受け渡しする曲では難しい

バッハのシンフォニアや平均律では右手と左手で頻繁にメロディを受け渡す動きがあります。

片手ずつ練習しているとこうした左右の手のメロディや場合によっては伴奏の受け渡しやバランスを理解することが少し難しいです。

片手ずつの練習でもこうした受け渡しをできるようにするためには,以下の練習方法があります。

指番号を決めること

音が途切れる部分を口で歌うこと

こうした練習を行うことで少しは両手の音形の受け渡しの練習にはなりますが,もちろん実際の動きを交えて行った方が効果的です。

結局どうするのが効率的か?

私は楽譜を渡されてパッと演奏できるレベルにまでなりたいので,両手で最初から演奏できるということがとても重要であると思っています。

ただ,ピアノは左右の手で違うことをすることから最初から両手で読むことが極めて難しい場合も多いので,そういう時はやはり片手ずつ練習するということが大切だと思います。

私は以下のステップで練習しています。

  1. 両手で弾けそうか試してみる
  2. 弾けない場合はゆっくり両手で弾いてみる
  3. それでも弾けない場合や上手くできない場合は片手ずつ練習してみる

ただ,これは曲の譜読み段階の話であって,曲をちゃんと仕上げていく段階では片手ずつ練習をすることで,上手くいかない部分をしっかり分析して演奏するというステップは必ず必要であると考えています。

最終的に自分が求める音楽表現ができるようになるための最短距離を考えて自分にあった練習方法を編み出していくことが大切だと思います。

まとめ

今回は片手ずつピアノを弾くことの大切さについて記事にしてみました。

自分のできないことをできるようにするためにはどういった練習が効果的なのか分析し,その練習方法を取り入れていくとあるときに突然レベルアップすることがあります。

まとまりのない記事になってしまいましたが,片手ずつ弾くというステップのメリットやデメリットも理解した上で,求める音楽表現ができるように日々精進したいと思います。

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