半音階をマスターしましょう【動きの鈍い親指の俊敏性が身につきます!】

ピアノ

半音階をスラスラ弾けますか?

半音階は様々な曲でよく出てきますので,普通の音階と同じくらい大切なものだと思います。

本物のピアノ(電子ピアノではないもの)がある人は環境によって音の響きが変わります。半音階を一番低い音から一番高い音まで全ての鍵盤を弾くことができれば,ピアノの全体の調子のチェックをすることもでます。

半音階で得られるもの

半音階は曲によって指使いが指定されている場合がありますが,一般的には1~3の指を使って弾いていきます。基本的な指使いとしては,黒鍵と白鍵が交互に続く部分では,白鍵を1の指,黒鍵を3の指を使って弾き,白鍵が続く部分(「ミとファ」や「シとド」)は白鍵を1と2の指を使って弾きます。詳細はハノンのNo.40などの指使いを参考にしていただればと思います。

最初に身につけるまでは少し時間がかかるかもしれませんが,パターンさえ覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。慣れてくると考えなくても自動的に指が動くようになります

そして,半音階で身につく最も大切な技術のひとつが「親指の俊敏性」です。5本の指の中で1本だけ動かし方が大きく違う指ではありますが,他の4本の指と比べて案外動きが鈍いものです。

半音階をマスターして完璧に弾けるようになるまで練習すると,「親指の柔軟性」も身についていきますので,指くぐりなどでもとても役に立ちます。また,丸みを持った手の形を意識しながら弾くことで「指のタッチの角度」の意識が変わります。

半音階の練習方法

半音階の練習方法としては,以下の方法がおすすめです。

  1. 片手ずつ
  2. オクターブでの練習
  3. 右手のスタートする音を変える

まずは片手ずつ【指使いを覚える】

まずは動きを覚えるためにも片手ずつの練習が大切になります。まずは指使いを覚えることが大切です。今まで弾いたことがない人はなかなか難しく感じるかもしれませんが,学校の勉強などと違って,明日までに覚えなければならないといった強制されるようなものではありませんので,自分のペースで練習できれば十分だと思います。はじめは絶対間違えないすごくゆっくりしたテンポでスタートして一番左端の鍵盤から一番右端の鍵盤まで迷わず往復できるようになるまで練習できると良いです。人によっては全ての鍵盤を弾いた経験があまりない人もいらっしゃるかもしれませんが,ピアノを弾くうえで身体から一番遠い鍵盤を打鍵するときのフォームがどうなるか,またその大変さを知っておくこともできます。

最初は全部の鍵盤の半音階を弾くのは結構しんどいので,途中で諦めてしまう人も多いかもしれませんが,「1往復頑張ってみる!」といった目に見える目標からスタートすると良いと思います。また,私はピアノの練習だと思うとよりも,綱登りや転がっていくボールなどの移動しているイメージと結び付けてゲーム感覚で練習したら少し楽しくなりました。

両手で同じ音を弾く【曲で使える基本的な技術として】

片手ずつの練習で一番左端から一番右端まで往復することができるようになったら,両手の練習に入ります。両手の練習では基本的にハノンの40番に掲載されている練習に取り組んでいけば良いと思います。ただ,楽譜をそのまま練習するのではなく,両手で同じ音(オクターブ)で1オクターブ分弾いて往復して,考えずにできるようになったら楽譜通り弾いてみます。そして,目で見て弾ける1オクターブでの練習だけでなく,スタートする位置を2オクターブや3オクターブ離して練習することがおすすめです。この練習をすることで目に頼る演奏ではなく,身体からの距離の感覚もつかむことができると思います。

3度や6度などで弾く【さらに発展的な練習として】

次に3度や6度で弾きます。オクターブの練習がスラスラできていれば,それほど大変ではないかと思いますが,ハノンの中でも短三度,長六度,両手の反進行などの練習がありますので,基本的にはハノンの練習に沿って練習すると良いです。

安定して半音階を弾くためには条件が変わっても片手で弾くクオリティが維持できる必要があるため,ハノンに書いてある練習がある程度できるようになったら2度や4度などのハノンに記載のない半音階を弾いていくとさらに安定して半音階を弾くことができます。

さらに半音階を弾くコツ【5選】

なかなか速いスピードで弾けないという人や指がバタついてしまう人もいるかもしれませんが,そういった方に向けて以下の練習方法・コツを伝授します。

  • リズムを変えて練習
  • アクセントの位置を変えて練習
  • 手首に余計な動きや傾きがないか確認
  • 白鍵と黒鍵を打鍵している位置が離れていないか確認
  • 弾いていない指(4,5の指)の力が抜けているか,伸びていないか確認

どれも基本的な内容かもしれませんが,これらを注意して無駄な力が入っていない状態で弾けるようになると,半音階の練習で最も大きな効果のひとつである親指の俊敏性が身につき,さらには親指の可動域が広がり,一気にレベルが向上すると思います。

まとめ

ピアノを弾いていると半音階が出てくることがたくさんあります。半音階を弾いたことがない人も弾けるけど最近弾いていなかった人もまずは一番低い音から一番高い音まで1往復してみることをおすすめします。スポーツと同じくトレーニングの一環ではありますが,例えば往復に係る時間のタイムを測定して徐々に早くなることを実感するのも良いと思います。

先日,曲の練習をする前に半音階(3音に1音アクセントをつける)の練習を3往復したところ,劇的に指が滑らかに動くようになりました。皆さんにもぜひこういった快感を体験して欲しいです!

ゆきふり

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