本番でも安定感のある演奏をしたい人へ!【本番前でも丁寧な練習】

ピアノ

レッスンや発表会が近くなるにつれて曲の流れ大切にするために通して練習するという人が多いかもしれません。私も通して本番の気持ちで練習をするということもありますが,最近は本番前でも部分練習をすることが多くなりました。今回は本番で良い演奏をするためのコツとして部分練習の大切さについて記事にしてみます。

曲を弾く上で理想とする演奏はあるか

練習をするときに,まず最初に「本番でどんな演奏をしたいか」を考えてみます。この理想の演奏が具体的であるほど本番の演奏へのモチベーションが高まりやすくなり,クオリティの上がるペースが早くなります。目標がないといつまでにどんなレベルでといった計画もたてにくければ,このくらいでいいかなという中途半端な演奏で終わってしまうことがあります。

多くの人前で弾くような演奏だけでなく,ピアノの先生に見てもらうような演奏でも「どのくらいのレベル」で「どういう演奏」をしたいかということを具体化するということをまず考えることが大切だと思います。特に,「どういう演奏」というのは言葉にできるものと言葉にできないものがあると思いますが,できるだけ言葉にしてあげることができると自分の中でしっかり咀嚼することができるので,より上達の階段を早く登ることができます。

練習するたびにミスの場所が変わる

本番で理想とするレベルの演奏があるとすると,練習ではその本番の理想の演奏に近づけることになると思います。では,練習をするときに「理想の演奏」をどこまで意識ができているでしょうか。あまり意識したことがないという人がいらっしゃればまず「理想の演奏」を設定してみると良いかもしれません。

その上で,私は本番での「理想の演奏」をするためには「本番での心構え」も大切ですが,それ以上に「本番までの練習方法」が大切だと思っています。私の経験上,本番でいい演奏ができるときとできない時,以下の練習内容の違いがあります。

  • 本番で失敗しやすい練習:曲を本番で弾くテンポで最初から何度もくりかえし練習する
  • 本番で成功しやすい練習:本番が近づいても焦らずゆっくり・丁寧に練習する

本番が近づくにつれて「たくさん弾かなきゃ」と思って,何度も繰り返し練習するという人が多いと思います。しかし,この場合,練習する回数は増えているかもしれませんが,「ミスをそのままにした練習」になっている可能性があります。もっと言うと「曲に対するこだわり」がないまま弾いてしまっている可能性があります。

例えば,最初から練習していくと曲の冒頭はどんどん上達するかもしれませんが,中間部の難しいところなどはなかなか上達しづらくなります。また,私の経験では,曲をパラパラと練習してしまうと「いつも間違える場所が違うからこんなもんか」と思ってしまい,結局本番まであまりミスが減らなかった,思ったように弾けなかったと感じることもあります。こういったある意味ではテキトーな練習になってしまうと,形にはなっているものの本番は運が良ければミスなく弾けるという運任せな演奏になりかねません。(ミスタッチについてはこちらの記事も参考にしていただければと思います)

本番前にこんな練習はしていませんか。

本番前の練習として

  1. 最初から最後まで弾く
  2. つっかえた部分や上手く弾けなかった部分を練習する

という練習をしてしまっている人はいないでしょうか。私はこの練習はあまり効率の良くない練習方法だと思っています。というのも,本番前ではある程度練習をしているので,自分が曲のどの部分が弾けていないかということは既に理解しているはずと思います。また,この練習方法では間違えた部分をどういう理由で間違えたかという分析ができないことが多くなり,演奏のクオリティが頭打ちになってしまうことが考えられます。

そのため,本番前であまり練習時間が取れない時ほど最初から上手く弾けない部分の練習をして自信のない部分を盤石にするための練習が本番で自分が納得をする演奏のためには大切だと思います。それに加えて,弾き慣れている部分についても「こう弾きたい」や「こう聴かせたい」と言うこだわりを持って,10回弾いて10回ともほぼ同じクオリティの演奏ができるように練習してみるのが良いのではないかと思います。

具体的にはどういう練習が必要か

本番1週間前となると,先ほど書いたように本番の気持ちで弾くというためにと思って通して練習をしたいとい思う人もいると思いますが,そこをぐっとこらえてまずは「ゆっくり丁寧に練習をする」という練習を繰り返すということが大切です。ゆっくりでの練習方法についてはこちらの記事が参考になります。

本番が近くなって練習方法が大きく変わり,弾けるようになるまでに行っていた丁寧な練習とは違う練習方法を取り入れて劇的に上手くなるということはあまり考えられません。結局は地道な練習になってしまいますが,本番前は本番のテンポで弾く練習だけでなく,弾けるようになるまでにやってきたゆっくりとした練習を丁寧に行うことで,安定感のある丁寧な動きや音が出せるようになります。

私の小さい頃に習っていたピアノの先生は「本番のテンポで細かいことを考えながら弾けなければならない」と言っていましたが,私を含めて多くの人は練習中に本番のテンポで弾いていると細かいことを考えるよりも,指を動かすことに集中してしまったり,もっとひどい場合は何も考えず音を出すだけの練習になってしまうことがあるかもしれません。

自分の中で「どうして弾けていないか」という理由がはっきりしていて,自分の理想とする演奏が頭の中にあれば,本番までに弾けない部分や不安がある部分について弾けるような練習を組み立てて計画的に練習ができれば,本番でも心配することは何もありません。(丁寧に練習する方法についてはこちらの記事も参考にしていただければと思います)

口で言うのは簡単で実際にやってみると,色々な問題が発生して計画通りの練習を進めるということが難しい場合もあります。しかし,焦って練習してもなかなか上手くなるのは難しいので,そういう場合でも「片手ずつに分ける」ことや「ゆっくりとしたテンポで練習する」といった丁寧な練習に立ち返ることが大切だと思っています。

まとめ

今回は「理想の演奏」を頭の中に置いて,それに向けて丁寧に練習をすると言う練習の基本スタイルについて記事にしてみました。本番までに時間がないのになかなかあるレベル以上に上達しないと言う人は自分が曲に込める「こだわり」を意識してみると良いかもしれません。

本番前でも焦らず丁寧に,そして自分の苦手意識のある部分をできるだけ減らすような練習をして落ち着いて本番を迎えられればと思います。

ゆきふり

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