英文法について皆さんはどのような印象を持っていますか?
私は文法がかなり分からないと正しい英語は話せないと思っていましたが,最低限の文法を叩き込んだ上で小学生でも話せるような簡単な英語から練習していくことが英語を少しずつ使えるものにするための近道だと気づきました。
今回は英語のコミュニケーションが全く取れなかった私が英語を使えるように(とはいってもまだまだですが)なるために使った英文法の書籍を紹介します。
英文法はこれ一冊で十分【一億人の英文法】
私がおすすめする英文法は「一億人の英文法」大西泰斗,ポールマクベイ著です。
この本はNHKラジオ英会話で楽しいレッスンをしてくださる大西泰斗先生が作られたものです。YesとNoしか話せない状態で海外に行き,全くコミュニケーションが取れなかったときに,早く英語が話せるようになりたいと思ってすがるような気持ちで聞いていたNHKの英語講座で大西先生の英語に対する考え方に共感をしており,本屋さんで見つけてこの本を購入することにしました。
文法書はどの書籍もかなり厚さのあるもの多く,とっかかりづらいものが多いと思います。私もこの本を手にしたときは結構なページ数で読破するのは大変だなと思っていました。
しかし,この本には細かい文法の前に以下の4つの非常に役立つ内容が盛り込まれていますので,私にとってはとてもためになりました。
- 4つの基本文型について
- 修飾方向を身につける
- 配置を崩してみる
- 時表現をマスターする
実際は本を購入して読むべきですが,ここでは簡単に(少しだけ)紹介していきます。
4つの基本文型について
英語の文型は5文型ということを習った人が多いのですが,この本では4つの文型が紹介されています。
- 他動型
- 自動型
- 説明型
- 授与型
英語の文型は文全体の意味を示すものであり,配置がとても重要だと説明されています。同じ動詞を使っていても,どの文型に属するかによって意味ががらりと変わります。
基本的な文型についてはご存知な方も多いと思いますが,文の主体が誰か(何か),目的が何かということは配置で決まるということが改めて説明されています。
修飾方向を身につける
英語の修飾語について皆さんは自由に使えているでしょうか。私はこの本ではっと気づくような瞬間がありました。それは以下の内容です。
- 働きを限定するものは前から
- 説明をするものは後ろから
修飾語を前に置くか後ろに置くかで働きが大きく変わるということが説明されています。
私は高校受験でももちろん英語を使いましたが,いざ会話になると3語以上の英会話がスムーズにできず,関係代名詞を入れるようなことは全くできなかったのですが,この本を学んでから大きく考え方が変わりました。
説明は後ろからということが分かると関係代名詞や分詞修飾の考え方もかなり変わり,話しながら落ち着いて修飾語を用いて説明することができるようになりました。
配置を崩してみる
英語の基本文型が説明されている上で,配置の変化が説明されています。疑問文も配置が異なる文章の一つとして扱われています。
配置が転換される場合は感情や意図があるという話し手の感情が含まれていると解説されています。これは目から鱗で,自分の中では「相手に聞きたい」「驚いた」という自分の感情が強く含まれるときに使う文章ということが印象付けられました。
時表現をマスターする
英語の時制は難しいという印象しかなかったのですが,基本的な時制の表現は以下の6つと紹介されています。
- 現在形
- 過去形
- 現在進行形
- 過去進行形
- 現在完了形
- 過去完了形
その上で,さらに数種類の未来形をマスターする必要があるとされています。会話で必要なものとしては,「時表現の気持ちを理解する」とされています。
例えば,現在形は「包み込む」,現在完了形は「迫ってくる」,過去形は「とおく離れた」などの感覚がまとめられています。
受験英語では英語を日本語に訳せるか,意味を取ることができるかということが重要視されますが,実際に使える英語となると会話の微妙なニュアンスなど感覚が非常に重要であることを気づかされました。
高校英語ではあまり出てこない英会話の単語が多い
高校英語では高校卒業レベルで4,000語~5,000語の単語とされていますが,一億人の英文法では,意味は簡単なのにあまり高校英語では扱われないような単語もいくつか出てきます。
高校英語は英会話を前提としたものではない単語も扱われますが,この問題集では見たことがないけれど日常会話で使う場面がある英単語が多くあります。英文法の勉強をしながらそういったことを少しずつ身につけることができるのが魅力の一つです。
コミュニケーションを取るための英文法書籍としては最強?
英文法の本と言えば,私が学生の頃はForestが有名でした。(現在はEvergreenというものに変わっているようです。ロイヤル英文法は実はあまり見たことがありません)
Next Stageといった文法問題を確実なものにするために効果的な問題集もありますが,コミュニケーションを取るための英語を身につけたいという方にとっては,少し堅苦しかったり,覚えるべきこととされる部分が多いため,飽きてしまう方もいるかと思います。
まとめ
ぜひ文法を少しは学んでみたいな,文法として何を勉強すればいいか分からないなという人がいましたら,ぜひこちらの本をおすすめします。
まだ文法書を持っていない人や気になる方は一度購入してその効果のほどを確かめると良いのではないでしょうか。一億人の英文法は文法書の中では一番といっていいほどとっつきやすいものだと思っています。
そして最低限の文法を知った上で,どんどん話すための瞬間英作文トレーニングやパワー音読入門に取り組むと半年もするうちに自分にとって遠い存在だった英語が徐々に身近なものに感じてくるはずです。