分散和音を弾くときに考えたい4つのこと

ピアノ

皆さんは分散和音を弾くのが得意ですか?分散和音は左手で良く出てきて、指を5→1→3→1と動かすものが多いと思います。今回は分散和音を弾くときに考えることとして4つ紹介します。この記事を読むと分散和音を弾くのが少し楽になるだけでなく、もっと指が動くようになるかもしれません。

分散和音を弾くときに考える技術的な4つのこと

1. 分散和音を弾くときの手の形

分散和音を弾くときは手の形が非常に重要です。例えば,分散和音を弾くとき指が伸びきっててしまうと和音の魚喜がバタバタした演奏になってしまいます。例えば、左手で「ドソミソ」の分散和音を弾くとき,多くの人は手が丸みを持った形となっていると思いますが、「ミ」を黒鍵にしたり、「ド(5)シ(1)ソ(2)シ(1)」のように少し手を広げるような形になった途端に指が伸びてしまう場合があります。音色のコントロールをする上では、指先が鍵盤に当たるようにすることが大事であるとともに、指の根本に近い関節によるコントロールが重要となります。そのため、指が伸びないように手に丸みをもたせて弾くことを意識することが大切となります。その中では特に親指のタッチの仕方が重要です。親指の爪のすぐ隣の部分が鍵盤につくようにすると手の丸みが出やすいと思います。(ここで,爪は鍵盤に当たらないような角度となります)

2. 分散和音を弾くときの手首の使い方

ピアノを始めた頃の人にありがちなのですが、手を左右に転がすように手首を使って分散和音を弾いてしまうことがあります。この場合、手首の回転には慣性力がついてしまう(つまり、スピードがつきすぎるといきなり止められない)ため、音色のコントロールが素早い動きになるほど難しくなってしまいます。また、このとき指をあまり使わない演奏になってしまうため、テンポや音色を安定させるということも難しくなります。必ずしも手首を固定して弾く必要はありませんが、普段から回転の動きを使って演奏してしまう場合は少し注意が必要です。安定して分散和音を弾くためには,手首を回転させながら演奏する方法と回転させない演奏方法の両方で同じくらいのテンポで弾けるようにしておくことが重要です。

3. 同じ音形を右手と左手でどちらが弾きやすいか(左右の手の弾きやすさ)

分散和音を弾いてみると右手で弾くよりも左手で弾く方が弾きやすいという人もいると思います。私の場合は、モーツァルトのソナタ K.545の第1楽章を弾いた時に出てくる右手の分散和音が弾けなくてかなり練習した記憶があります。この曲は、曲の最初に左手で分散和音が出て来るのですが、同じテンポで弾けないというのが悔しかったです。ここで分かったこととしては、動きに慣れていれば利き手の得意な動きよりも左手の方が動かしやすい動きがあるということです。そのため,手のパターンで覚えさせるということも一つ重要なポイントとなります。そして,どうして左手(右手)ではできるのに,右手(左手)ではできないのかということをしっかり分析すると早く動きが身につくと思います。この時の答えが練習が足りないではなく,鍵盤を押す速度なのか,鍵盤を離す速度なのか,他の指がつられるのかといった具体的な部分にまで踏み込んでできない理由を見付けることが重要だと考えています。

4. 思った場所で音を強く出せるか(自在さ)

例えば,分散和音が出てくる場面で2つ目の音だけを強く弾くことや,4つ目の音だけを強く弾くこと,1つ目と4つ目の音を強く弾くというような演奏はできるでしょうか。多くの曲で一拍目をはっきり出すということはすると思いますが,わざとアクセントの位置をずらして演奏することで分散和音のコントロールが上手くなります。分散和音のコントロールができるようになると,自分が思っているようにテンポや音形をコントロールできるようになるので,演奏が技術的にレベルが高いものとなります。また,この動きは指が独立していないとできない動きなので,まだ他の指につられるという人はこの練習を少しするだけでかなり上達すると思います。初めのうちはできなくてイライラするかもしれませんが,その時にできないことができるようになるということを楽しみながら練習できるとさらに効果的です。

曲の中で練習するためには

今やっている曲は特にないけれど,分散和音を弾くときに曲の中で練習したいという人はソナチネアルバムがおすすめです。過去に記事にしているので参考にしていただければ幸いです。

まとめ

今回は分散和音について記事にしてみました。色々な曲でよく出てくる音形ですが,苦手な人も多いかもしれません。できるだけ指の付け根を動かすということを意識して分散和音が弾けるようになると,技術的にかなりレベルが向上すると思います。もちろん,手首を全く使わないということを言っているのではなく,両方できるようにしておくということが大切だと思います。分散和音を華麗に弾きこなして華麗な演奏ができるようになりましょう!

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