やってはいけない!?譜読みの方法【耳から覚える、暗譜をしながら読み進める】

ピアノ

何度か譜読みについての内容を取り上げていますが、譜読みをする中で私があまりおすすめしない方法を紹介します。私自身、小さい頃やっていた譜読みの方法ではありますが、弾いてみたいたくさんのピアノ曲を弾けるようになるためには改善が必要だったものを紹介します。

【やってはいけない方法その1】最初に音源を聴いて譜読みをする

最近はCDだけでなく、YouTubeでもたくさんの音源が公開されており、自分が弾いてみたい曲の音源が簡単に聴けるようになっています。そのため、曲に親しみを持ってから弾くということが可能になっています。

実際に音源を聴いてから譜読みをするということで譜読みの効率は格段に上がります。小さい頃はピアノの先生が音源をよく聴いて弾くようにと勧めていただいた記憶もあります。使い方によってはとても良いと思いますが、以下の点については注意が必要であり、そのため、譜読みの前に必ず音源を聴いてから譜読みに取り組むことを習慣にしてはいけないと考えています。

  • 曲の音源がないと弾けない(譜読みができない)
  • 間違った音で譜読みをしてしまうことがある
  • 楽譜から音楽を読み取れなくなってしまう

曲の音源がないと弾けない(譜読みができない)

「聴いたことがない曲は弾けない」という人はいらっしゃるでしょうか?

私は中学生までは音源ありきで譜読みを進めていました(ハノンやツェルニーは別ですが)。そのため、楽譜から音楽を読み取るということが全くできていませんでした。雰囲気で弾くことが習慣になっていたため、左手が四分音符と四分休符が続いているのに、休符を無視して二分音符で弾くということもよくありました。

また、サンプル音源が弾いてみたいと思わせるような心が動かされる演奏であれば良いのですが※、単調でつまらない演奏が入っているCDなどでは、弾きたいというやる気も起きず、譜読みが進まなかった記憶があります。

※小学生や中学生の私にそんな感受性があったかどうかは別問題ですが…。

曲の音源がなくても楽譜から曲を演奏できるということはピアノを弾くうえでは重要な能力の一つだと思います。

間違った音で譜読みをしてしまうことがある

楽譜をよく読まずに譜読みをしていくと、サンプル音源が間違っていることに気づかず譜読みをしてしまうことがよくありました。音源が間違っているということは,曲の一部だけかもしれませんが,耳だけに頼ってしまうと自分が間違った音を弾いていることに気づかず演奏をしてしまうことになります。

楽譜があっても他の人の演奏に引っ張られて間違った演奏をしてしまうことはできれば避けるべきだと思います。(もちろん,素晴らしい演奏もありますね。)

楽譜から音楽を読み取れなくなってしまう

初めに音源ありきで弾く人は楽譜をよく読まない(聴き覚えで弾く)ということが多いと考えられます。私も聴き覚えで雰囲気を捉えて弾いていた時期が非常に長かったのですが、メリットはあまりありませんでした。

世の中にはどの楽譜を見ても書かれていない独自の解釈で弾いていいる音源も結構あるので,聴き覚えで弾くということは必ずしも役立たないことがあります。

色々な人とピアノを連弾したり、弦楽器やオーケストラとピアノを弾いたりすると、楽譜に書いてあることをベースに鳴っている周りの音に反応して弾く必要があります。その時に、楽譜に書いてある内容を前提としてアンサンブルをするということは特に問題にはなりませんが、耳から曲を入れて譜読みをした演奏を再現するような弾き方の場合、音楽の自由度が大きく変わります。

演奏の自由度や楽譜から想像する音楽の豊かさを表現する上では,楽譜から見える(読み取れる)音楽を大切にする必要があると考えています。

【やってはいけない方法その2】暗譜をしながら譜読みを進める

曲の音源を聴きながら、譜読みを進めるということはおすすめしませんが、それだけでなく、暗譜(暗記)をしながら譜読みを進めるということもおすすめしません。典型的な私の例かもしれませんが、楽譜を読むことが本当に苦手になってしまうと思います。

暗譜をしながら譜読みをするデメリットは以下の通りです。

  • 初見力がつかなくなる
  • 練習が止まってしまう
  • 練習期間が長くなってしまう

初見力がつかなくなってしまう

初見力がないうちは少しずつ譜読みを進めますが、その際には暗譜をしながら読み進めるという方法を取ることがあります。この方法では、楽譜を読むスピードが頭打ちになってしまいやすく、たくさんの曲に取り組むというようなことは難しいと思います。

一方、初見演奏として楽譜を渡されてすぐに弾かなければならないという環境にある人は、暗譜をしながら進めるという弾き方はしないと思います。総合的な演奏レベルを高めるためには暗譜して弾き方を固めて弾くというまで練習をしなくても弾けるようなスキルが必要となります。

苦手なところで止まる癖がつきやすい

曲を少しずつ暗譜で弾くと、最初の方ばかり練習することになります。そして、なかなか覚えにくい苦手な部分の練習が疎かにになることが多かったです。

「苦手な部分を暗譜するまで弾いてから」という弾き方はもちろん良い練習方法のひとつですが、読譜力がない場合,苦手なところの譜読みを敬遠してしまうというということもあり,結局は練習が進まないという状況もあり得ます。また,常にどんな曲を弾くときも暗譜をしながら譜読みを進めるということは,曲のクオリティを上げるような練習とは異なることをやっている人も多いのではないかと思います。

人によっては楽譜を見て演奏しても,暗譜で演奏する人以上のクオリティで弾ける人もいらっしゃいますので,楽譜を音にする譜読みの段階で必ずしも暗譜にこだわる必要はないと考えています。

練習期間が長くなってしまう

初めて楽譜を見て演奏する時からある程度の形になっていると、仕上げるまでの時間は短くて済みます。一方、1小節ずつ暗譜しながら譜読みをし,どんな曲でも最初から形にすることは難しいような場合は,1曲を仕上げるまでに数週間か数ヶ月かかってしまうことが考えられます。特に、まとまった時間を取れない人にとっては理想の演奏に仕上げるまでに途方もない道を歩むことになります。

曲の難易度が高いものについては時間をかけた練習ももちろん必要ですが、できるだけ楽譜を読む(曲をある程度弾けるようになる)までの時間は短いことに越したことはないと思います。

ではどうすれば良いか?

譜読みの時間を短くするためには、弾いたことがない簡単な曲を止まらずに最後まで弾く練習が有効です。このような練習をしたことがある人がどのくらいいるか分かりませんが、非常に効果がありました。具体的なトレーニングの仕方については,さらに今後記事にしたいと思います。

私は小さい頃はレッスンで取り上げる曲(毎週5曲くらい)しか練習したことがなかったですが、毎週譜読みが大変だった記憶があります。一回で合格できない曲も多いので,毎週5曲増えるわけではないですが,弾けるまでの時間は本当に大変だった記憶があります。

ピアノを習っている人はレッスンで与えられている曲だけを弾いている人も多いかもしれませんが,世の中にはレッスンで取り上げられる曲以外にもたくさんの名曲があります。ピアノを習っている人もそうでない人も自分の弾いてみたい曲に積極的に挑戦できることを願って,また,譜読みが苦手な人が少しでも譜読みの抵抗がなくなるように今後も記事にできればと思います。

ゆきふり

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