ピアノを習っている人であれば「ピアノを習ってました」というだけで,「何か弾いてみて!」と言われることはよくあるのではないでしょうか。その時に何を弾くのが良いか迷ったことはありませんか。ピアノを弾いてみてと言われてピアノ弾きが考えることは自分の腕前を披露するというより相手を喜ばせることに尽きるのではないでしょうか。
ここでは,いくつかパターンに分けて考えてみます。
練習している曲を弾く
ピアノを習っている人であれば,今練習している曲を弾くということはよくあるのではないでしょうか。ゆきふりはピアノから離れた期間もあるため,今は練習していると心から言える曲はそれほど多くないですが,昔,ピアノを弾いてみてと頼まれて【ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女】を弾いてみたら,「聞いたことがない曲だったけど弾けるんだね」と暗に下手だったとも思える感想を言われたことがあります。ただ,同じ人に【シューマン作曲のノヴェレッテン第1番】のさわりを弾いてみたら結構ウケが良かったので,その人が喜ぶかどうかは選曲次第ですね。
即興で弾く
即興演奏が得意な方(例えば,YouTuberのピアノ奏者)もたくさんいらっしゃると思いますが,即興で弾いて聴いている人が喜んでいる映像はたくさんあります。即興演奏にも以下のパターンがあります。
- 有名な曲をアレンジして弾く
- 思いつくままに弾く
有名な曲(相手が聴きたい曲)をアレンジして弾くということは喜ばれる典型パターンですよね。
スケールやアルペジオを弾く
知り合いの家にピアノがあるから弾きに来てくれと呼ばれて,すぐに弾ける曲が思いつかなかったのでスケール,半音階,アルペジオ(例えば,ハノンNo.39~41)を弾いてみたところ,すごく驚かれた記憶があります。実際は部屋が寒くてすぐに弾けなかっただけという理由もありますが,弾いてみせただけですごく喜んでくれました。人によってはこれだけでも十分なパターンもあります。
少し話は脱線しますが,ある程度ピアノの弾ける人は24調すべてのスケールやアルペジオなどは当然安定して弾けるものと思います。弾いたことのない人はまず長調からでも良いのでぜひチャレンジしてみるといいと思います。
リクエストに答えられるように
誰かのためにピアノを弾くということは少ないかもしれませんが,そういった機会にはリクエストに応えてあげたいですよね。例えば,
- スケートの羽生選手の演技している曲(ショパンのバラード)を弾いて
- 鬼滅の刃の曲(紅蓮華)を弾いて
- 太田胃酸の曲(ショパンの前奏曲)を弾いて
- アンパンマンマーチを弾いて など
たまたま自分が弾けるということであれば良いですが,なかなかそうもいかないことは多いと思います。クラシックに限らずこういった曲のレパートリーを増やすためには,以下の3つの力は必須のものと考えられます。
- 初見で曲を形にして効率よく譜読みをして弾けるようになること
- 即興で演奏を組み立てられるようにすること
- 自分が思ったように打鍵する技術を身につけていること
ピアノを習っている多くの人は3.を習うことが多いのではないでしょうか。だけど,ハノンやツェルニーと言った基礎練習は退屈になるからやりたくないという気持ちもあるでしょう。そうして1曲1曲大切に練習するも,1.や2.の力はなかなか身につかず今に至るという人も多いのかもしれません。たくさんの曲に触れてたくさんの曲のレパートリーを増やすことがこれらの力を身に着ける近道だと思います。
他人を喜ばせる演奏として「ちょっと何か弾いてみて!」と言われたときにカッコよくピアノを弾きこなせるようになりたいですね。
技術面以外に音楽性ということもありますが,それについては別の記事で触れたいと思います。
ゆきふり
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