ピアノにおけるテクニックの必要性と効果的な練習

ピアノ

ピアノを弾くうえでテクニックがあることは,あらゆる曲を弾きこなすうえではとても重要なものになります。自分が弾きたいと思っている曲で動きが難しくて弾けないという曲を弾けるようにするためには必ずテクニックを習得するということは避けて通れない道かもしれません。

今回はそんなテクニックの練習について考えてみます。

テクニックの練習はどのくらい必要なのか

まずテクニックの練習はどのくらい必要なのか考えてみます。私の実感ですが,ハノンやツェルニーの30番と40番くらいがある程度弾けるようになれば大体の曲は弾けるようになると思います。これらの練習曲が弾けるレベルになっている頃にはショパンのエチュードにも挑戦できるくらいのレベルになっていると思います。

具体的な例として挙げてみましたが,ピアノを大人になってからスタートしたような方にはかなりハードルが高く感じるかもしれません。私も小さい頃からハノンやツェルニーをやっており,小学校から中学校の頃にかけて5年以上かけてこれらの練習曲を弾いてきました。これでもそんなに早く終わった方ではないのですが,まだテクニックの練習をちゃんとしたことがないという人が趣味でピアノを続けるのに,自分の弾きたい曲と合わせて数年間を練習曲に費やすのは少しモチベーションが上がらないかもしれません。

私は練習曲はできれば取り組んだほうが良いという意見がありますが,それには以下の理由があります。

動きを覚えれば弾けるのか

難しい曲を弾くとき「指の動きや腕の位置」といったものを覚えれば弾けるでしょうか。これは曲の難易度にもよると思いますが,ある程度の曲は跳躍の動きや指の動きを覚えればある程度のレベルまでは弾けると言えるのではないかと思います。

しかし,自分のレベルを大きく超えた曲については動きを覚えるのがかなり大変で音のコントロールまでを意識して弾くのはかなり難しいです。例えば,左手の小さい音でのアルペジオが高速で必要となる曲は動きを覚えても繊細な音を出すような動きは動きを覚えるだけでは,音を出せるまでに「弾ける」というレベルまで到達することはできるかもしれませんが,それ以上のレベルに移るのはすごく大変だと思います。

テクニックが身につくと練習時間が激減する

テクニックは英単語や数学の基本公式のようなもので,覚えておけば色々なことが分かったり色々なことに対応ができるようになります。練習曲では満遍なく色々なテクニックを身につけるための練習がありますが,自分の苦手としているテクニックが身につくだけでもかなり練習時間は減ります。

例えば,左手の小さい音でのアルペジオについて練習曲でもし似たような動きを身につけていたら,その部分はまるで数学の解法を覚えているように,技術を応用することで対応することができるようになると思います。

根性論だけでは上手くなるのは難しい

「たくさん練習すれば弾けるようになる」という根性論は私は嫌いではないですが,上手くなるためにはこれだけでは不十分だと思います。オリンピック選手もたくさん練習している人はたくさんいると思いますが,どうしたら上手くなるのかということを考えて動きを分析するということは必ず行なっていると思います。それだけでなく,新しい動きを身につけるために今までの動きを見直したり,自分の身体に染み込むように練習を繰り返したりするという練習を行っているはずです。

※こうした練習をしなくてもできるという人が天才の部類に入りますが,多くの人は「動きの応用」をしているので「動きの基礎」がちゃんと身についているのかもしれません。

テクニックが身につくと感じる練習はどういうものか

テクニックの練習にはある程度の時間がかかりますが,やはり何年もかけてテクニックの練習をするのは骨が折れることだと思います。ここでは,どういった練習をすればテクニックが身につくのか考えてみます。

手に効いていると思う練習

テクニックが身につくと感じる練習としては「手に効いている練習」があります。例えば,ハノンの1〜20番までを弾いたことがない人が弾いてみると弾き終わった後に手の疲労を感じるようなすごく「手に効いている」と感じることがあります。こうした練習は,ハノンだけでなくピシュナやリトルピシュナでも感じることができます。

ピシュナやリトルピシュナについて効いたことがないという人はこちらの記事も見ていただければと思います。

ハノンやピシュナではこうした練習が多いと思いますが,ピアノでも打鍵するために必要な筋トレ的な練習も必要だと思います。もちろん筋トレと同様で,やり過ぎると手を壊してしまう可能性がありますので注意は必要です。

後で効果を実感する練習

表現が難しかったので「後で効果を実感する練習」としました。これは,練習した後,少し時間をおいて練習するときに指が軽くなったり,同音連打ができるようになったりするような「効果を実感できる練習」のことを表しています。

手の筋トレ的な練習ではこうした効果を感じやすいですが,そうした練習だけではなく,細かい動きを伴う技術など「できなかったことができるようになった」という練習はツェルニーやクラーマー=ビューロー,モシュコフスキーの練習曲などにあります。こうした練習曲では様々な技術が身に付きますが,こうした練習曲を弾いていく上で身に付くような細かい技術で少し気をつけるだけでできるようになるものもありますので,このブログでも適宜紹介できればと思います。

まとめ

今回はテクニックの練習に焦点を当てて記事にしてみました。あって越したことはないのすが,なくてもある程度の曲は弾けます。しかし,プロっぽく弾くことや練習時間を短くするためにはテクニックの練習は欠かせません。基礎練習の教材については過去に記事にしていますが,レッスンに行かないと習えないような「上手くなるための練習方法」や「効果を実感できる練習」をこのブログでも紹介できればと思います。

ゆきふり

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