黒鍵のエチュードで白鍵を発見できるか
ショパンの黒鍵のエチュードをご存知でしょうか。曲のほとんどが黒鍵で演奏されることから,外国語の表記でも「Black Key Étude(ブラックキーエチュード)」と呼ばれているようです。
黒鍵というだけあって曲のほとんどが黒鍵ですが,今回は弾いたことがある人であれば分かる黒鍵のエチュードの右手に出てくる唯一の白い鍵盤について記事にしてみました。
黒鍵のエチュードとは【やはりほとんどが黒鍵】
黒鍵のエチュードはショパンのエチュードOp. 10の第5曲に位置付けられている曲です。手がよく映されている動画を見るとかなりのテンポで次々と黒鍵を弾いているのが分かると思います。(私もよく見るCANACANA familyさんの演奏動画を引用させていただきました)
全曲で2分弱の演奏ですが,この動画を見ながら右手で白い鍵盤を弾いている箇所を確認できるでしょうか。
黒鍵を弾いたことがない人はぜひどこで白い鍵盤を弾いているか見てみてください。
唯一出てくる白い鍵盤
そんな黒鍵のエチュードで唯一白い鍵盤を弾くところがあります。上の動画で見つけたという人もいらっしゃるかもしれませんが,曲の後半の66小節目となります。
小節番号だけでは分からないと思いますが,動画の1:30あたりで白い鍵盤を一度だけ弾いています。曲がゆっくりになって再度動き出す直前の音です。
楽譜は以下の通りです。抜粋して記譜したものなので右手で弾く音も下の段に書かれていますが,多くの楽譜では和音の上のF(ファ)の音は右手で弾くように書かれています。
つまり,唯一出てくるのはメロディが細かく動いているところではなく,場面が変わるときの属七の和音(おじぎの和音のようなところ)で出てきます。
ちなみに,あまりいないとは思いますが,この音も左手で弾くという人は右手が100%黒鍵で演奏することとなります。
閑話休題【これも黒鍵のエチュード?】
黒鍵のエチュードでは,ほとんどが黒鍵であることから以下の動画も紹介します。3:40~の演奏に注目してください。(これであれば,左手だけ譜読みすれば誰でもできるかもしれません…!)
誰でもできると言いつつ,やってみたら歴然の差でした。
世界的なピアニストは左手の爽快感が全然違うので,オレンジを使って弾いても素晴らしい演奏に聴こえてしまいます。
まとめ
今回は黒鍵のエチュードで唯一出てくる白鍵について記事にしてみました。黒鍵のエチュードを弾いてみると,自分のタッチがふわふわしていると気づくかもしれません。
初心者にとっては譜読みも大変ですし,かなりハードルが高いかもしれません。
中級者くらいでそろそろショパンのエチュードを弾いてみたいという人はぜひ弾いてみると,しっかりとした安定したタッチで演奏ができるようになるかと思います。譜読みが苦手な人も一音以外は全部黒い鍵盤を弾くと分かると少しは譜読みが楽になるかもしれません。
この記事が皆さんの役に立てば嬉しいです。