モシュコフスキーの15の練習曲について

ピアノ

モシュコフスキーの15の練習曲について

モシュコフスキーの15の練習曲という曲集をご存知でしょうか。ゆきふりはこの曲集を知ったのは,ピアノを習っていたころには聞いたことがないものでした。YouTubeでピアニストの森本麻衣さんが紹介されている通りとても魅力的な曲もありますが,どういった曲集なのか紹介してみます。

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モシュコフスキー 15の練習曲とは

モシュコフスキーはポーランド出身のピアニストであり,アンコールでしばしば演奏される「火花(Op.36-6)」や連弾曲の「スペイン舞曲」が非常に有名です。

15の練習曲はホロヴィッツにも好んで演奏されたと言われている曲集です。

音楽の友社から出版されている楽譜では,安川加寿子先生が「この練習曲集はショパンの要求する高度なテクニックを,事前に準備するために最も適していると思います。(以下,略)」としています。

そのため,ツェルニー40番次の練習曲としてという段階で取り組むというレベルかもしれません。(ただ,かなり難しいので,クラーマー=ビューロー60の練習曲を挟んだ方がいいかもしれません)
クラーマ―=ビューローの60の練習曲については以下の記事も参考にしていただければと思います。

私も実際に取り組んでみたところ,スケールやアルペジオだけでなく同音連打やオクターブ奏法など様々なテクニックが用いられていると感じました。

ショパンの練習曲は取り組んだことがあるけれど,今までテクニックが足りなくて時間がかかったり,もっと短時間でうまく弾けるようになりたいという人には最適な教材の一つと言えます。

モシュコフスキー 15の練習曲のメリット

モシュコフスキー 15の練習曲を取り組むメリットについては以下のようなことがあります。

  • 練習曲とは思えないくらい曲が素敵
  • ペダルを利用したテクニックが身につく
  • 曲の長さがある程度あるので,読譜力が身につく

練習曲とは思えないくらい曲が素敵

ショパンのエチュードも練習曲とは思えないくらい素敵な曲ですが,モシュコフスキーも素敵な曲が多いです。

ツェルニーのいい演奏を聴いた事がない人はツェルニーが嫌いになってしまう人もいると思います。私もツェルニーは小さいころは特にいい演奏をしたことがなく,また,いい演奏を知らなかったこともあってずっと単調な曲集と感じていました。(今はそうとは思っていません)

ツェルニーではメロディを豊かに歌うという練習ができる曲があまり多くありません。それが故にツェルニーが好きではない,ツェルニーという言葉がもう好きではないという人もいるのではないでしょうか。

しかし,モシュコフスキーでは練習曲ではありますが,メロディックなフレーズも曲の中で多く使われます。また,フォルテ(f)やピアノ(p),クレッシェンド(cresc.)やディミヌエンド(dim.)だけでない,強弱の大きな幅やテンポの変化はもちろん練習曲のなかで堂々とカンタービレ(cantabile:歌うように)と書いてあるように聴かせどころもたくさんあります。

ペダルを利用したテクニックが身につく

ツェルニーではあまりペダルは出てきません。みなさんはペダルはどうやって学ばれてきましたか。モシュコフスキーではペダルを利用する場所が多く,どのタイミングで踏むときれいに聴こえるかまで考えて練習することで,手の基礎力以外の基礎力もしっかり身につくと思います。

ペダルには色々な踏み方がありますが,残念ながら私は家では電子ピアノしかないため,ハーフペダル(ペダルを半分踏む踏み方)や徐々にペダルを上げてペダルの効果を小さくするような踏み方をしても効果はありません…。(最近の電子ピアノはそういった効果がついているのでしょうかね)

本物のピアノを持っている人であればそうしたペダルによる音色の変化も曲の中で楽しむことができます。

曲の長さがある程度あるので,読譜力が身につく

曲の長さがある程度あるので,読譜力が身に着きます。また,曲が数ページあるので,暗譜の訓練にもちょうどいい長さかもしれません。個人的には曲のストーリーが結構はっきりしているという印象もあります。

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モシュコフスキー 15の練習曲デメリット

モシュコフスキー 15の練習曲はとても魅力的な曲集ですが,少し難しい教材でもありますので,全員におすすめという教材ではありません。技術的に難しい以外には以下のハードルがあります。

  • 曲が長い(譜めくりが必要になる)
  • 慣れていない人にとっては譜読みが大変

曲が長い(譜めくりが必要になる)

曲の長さは長いもので6ページ程度となります。そのため,ツェルニー40番の譜読みでヘトヘトになってしまう方には,あまりおすすめできません。

初見が苦手であっても譜読みは好き(得意)という人であれば問題はありませんが,あまり譜読みが得意ではないけれど,良いと言われているからやってみようという人は少し大変な思いをするかもしれません。

ただ,弾けるようになった時の手の基礎力というものは,着実に向上するのではないかと思います。

慣れていない人にとっては譜読みが大変

趣味で弾くにしてもピアノを弾くことについては以下のような目的があると思います。

  • 誰かのために弾く
  • 自分の挑戦したい曲を弾く

モシュコフスキーは練習曲としても美しい曲ですが,まだ左手が自由に動かせるだけの余裕がない場合にゆっくり片手で1音ずつ練習していくと途方もない時間がかかってしまいます。

練習曲の譜読みに時間がかかってしまうとピアノを弾きたいという本来の目的から遠ざかり本末転倒となってしまいます。自分のピアノを弾く目的や本来弾きたい曲を弾くための時間は限られています。

そういった方は譜読みに時間がかからないようなもう少し簡単な練習曲から徐々に取り組んでいくことをおすすめします。(千里の道も一歩から)

モシュコフスキーの前に取り組むものとしては,ツェルニー40番やクラーマー=ビューロー60の練習曲がありますので,そちらに取り組んでも良いと思います。

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まとめ

モシュコフスキー 15の練習曲はピアノがかなり弾ける人にとっては非常にメリットが多い練習曲集だと思います。

一方,まだまだ初心者であったり,今日が弾けるようになるまで結構時間がかかってしまうという人は,モシュコフスキーの前にツェルニー40番までこなして,余裕があればクラーマー=ビューローの60の練習曲をこなせると,技術的にも問題なく挑戦できるレベルだと思います。

ツェルニー30番が終わった程度で取り組むと挫折してしまう可能性がありますので,徐々にステップアップしていく段階で取り組めれば良いと思います。

とてもおすすめの教材ではありますが,練習曲を弾けるようにすることがピアノを弾く目的ではないと思いますので,さらに高いレベルを目指したいという人が取り組むととても効果が高いでしょう。

自分の理想の演奏を目指して日々みなさんと精進できればと思います。

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