楽譜の読み方を考える【楽譜に書いてある情報量の多さ】

ピアノ

ゆきふりです。
ブログや本は文字で内容が表現されますが、楽譜は五線譜と音符、文字などで内容が表現されます。
今回は楽譜の読み方が上達するためのヒントとして「楽譜に書いてある情報量」について記事にしています。

楽譜に書いてある情報には何があるか?

楽譜には以下の情報が書かれています。
・五線譜の上に表される情報
・文字で表される情報

曲を音にするためには「五線譜の上に表される情報」が重要視されますが、良い演奏をするためには五線譜に表される情報に加えて「文字で表される情報」も重要になります。
初見演奏でも本当に得意な人は五線譜に書かれている音符を追うだけでなく、文字で表されるテンポなどの情報もキャッチしながら弾くことができるようです。

ピアノを自由に楽しく弾けるようになるためには、耳から入ってくる音楽だけでなく、目(楽譜)から入ってくる音楽を表現できるようになることもとても重要です。

五線譜に表される情報

まずは五線譜の上に表される情報をみてみます。
五線譜には四分音符や八分音符などの音符の細かさ(音の長さ)とその音がどの音程か(音の高さ)が表されます。

短い音がたくさん書いてあれば「楽譜が黒い=情報量が多い」と考えられます。
例えば、4/4拍子で1小節に16分音符が全て書いてあれば、最低で16個の情報が書いてあります。
これが所々重音になったり、左手にも同じように16分音符が書いてあればその情報量は1小節で50以上になることもあります。

音の長さ

五線譜に書かれる基本に「音の長さ」があります。
小学校や中学校の音楽の時間でも五線譜の読み方を習ってリコーダーや鍵盤ハーモニカ、合唱などでも音符を読むという経験があるとは思いますが、音の長さは五線譜の中で「四分音符(♩)」や「八分音符(♪)」などで表されるものです。

リズムが苦手という人はこの「音の長さに親しむ」ことが重要になります。
複雑なリズムであっても聴いて覚えるのは得意という人は「自分の好きなJーPOP」などの楽譜を手に入れて弾いてみるのも良いかもしれません。
例えば、私の場合は紅白歌合戦でも小林幸子さんが歌う「千本桜」やアニメ「鬼滅の刃」のオープニングのLISAさんの「紅蓮華」などのかっこいい曲の楽譜がどうなっているのだろうと思って楽譜を買ってみましたが、よく知っていて歌えるという曲でも楽譜を見てみると複雑な形に見えます。
曲を全く知らない状態で「千本桜」や「紅蓮華」の楽譜を渡されたら「楽譜からリズムを追うのが難しい」と感じるかもしれないと思いました。

リズムに慣れるためには手拍子でリズムを取ったり、歌ってみるなどが大切だと思います。
譜読みが苦手という人はまず第一段階としてリズムを取れるか挑戦してみると良いかもしれません。
リズムの練習方法についてはこちらの記事も参考になります。

音の長さには休符ももちろん含まれます。
休符は「間」の音楽なので、休符(間)をうまく表現できるようになると一段と音楽レベルが上がると思います。休符についてはこちらの記事も参考になると思いますので、興味があればみていただければと思います。

音の高さ

2つ目の五線譜に書かれる基本的な情報としては「音の高さ」があります。
楽譜を見てなかなか譜読みが進まない人は先ほどの「音の長さ」よりもこの「音の高さ」への反応に慣れていないことが原因かもしれません。

音の高さを覚えるためには「声に出して歌ってみる」ことがヒントになります。
指を動かすよりももう少しレベルを落として歌えるか挑戦してみると良いと思います。
初めから歌えないレベルのものは弾いてできるレベルではないので、まずは「楽譜は読めている」という部分をチェックしてみると良いと思います。

楽譜を見てすぐに歌えるけどピアノで弾くときの音の高さへの反応が得意ではないという人は「各音形に対してどんな指づかいで弾くか」を体得していく必要があります。
良い音がでればどの指で弾いても構わないとは思いますが、人間の手で弾く上で弾きやすい指づかいが当然ありますので、楽譜をある程度読めるようになったら指づかいを覚えていくということが上達には重要となります。

こうした基本の指づかいを覚えていくためには、ハノンやリトルピシュナ、ツェルニーなどの基礎教材が重要であり、これらの曲集にはその基礎が詰め込まれています。
ハノンだと右手と左手が同じ動きになりますので、個人的にはリトルピシュナやツェルニーがいいかなと思っています。
※ハノンやツェルニーが好きではないという人はクラーマー=ビューローやモシュコフスキーもおすすめです。

文字による情報

曲の速さ

曲の冒頭には「Moderate」「Andante」「Allegro」など音の速さに関する記号が書かれます。
速さ(テンポ)に関する記号は曲の冒頭に書かれることはありますが,曲の途中にもには「rit.」や「accel.」など曲の速さを速くしたり遅くしたりするする記号も書かれます。
こうした記号は曲の雰囲気を出すために重要な情報になります。
曲のテンポに関する記号は初見で拾って演奏するのは初見に慣れないとかなり難しいと思いますが,練習して曲を弾く場合には曲を魅力的にする上で重要となります。
テンポを「速く」「遅く」というのは曖昧な表現であるため,演奏者によって個人差が生まれます。
この個人差が「同じ曲でも演奏者によって異なるように聴こえる」という要因のひとつになり得ます。

曲に乗せる感情

テンポを表す記号だけでなく,曲に乗せる感情も記号で書かれています。
例えば,agitato(興奮して)やespressivo(表情豊かに)やscherzando(戯けたように)といった弾き方に影響を及ぼすようなものもあります。
こうした曲の感情の入れ方はテンポと同様,個人の感情に影響するものですが,作曲者によって曲の語り口が決まっていることもあり,作曲家による常識の範囲というものの中で演奏されることも多いです。
こうした表現が共感を呼ぶことができると,多くの人が感動する演奏に近づくことができます。

ペダルを踏むタイミング

楽譜や曲によって書いていないものもありますが,ペダルを踏んだり離したりするタイミングが書かれていることもあります。
ペダルを踏むことに慣れている人は曲によって自分が良いと思ったところでペダルを使うことができます。
使い方によって,音の響きをより重厚にするということもできますし,技術的に難しいところをぼかすという使い方もできます。
楽譜にはあまり書いていませんが,ペダルを踏む深さなどのペダルを踏む技術についても細かいテクニックがあります。
まだ記事にしていないので,今後記事にしてみようと思います。

楽譜に書いてある情報量はとても多い!

結論として,楽譜に書いてある情報量はとても多いということが分かります。
初見演奏が苦手という人は楽譜の音の高さと長さという五線譜の上で表される情報だけでもいっぱいいっぱいになってしまいますが,実際にはそれに加えてテンポや曲に乗せる感情,ペダルを踏むタイミングなども曲を構成する要素になります。
そのため,五線譜に書いてある情報を瞬間的に処理して音楽を弾くこと,そして,その音を聴きながら自分の演奏を客観的に見るということは大量のタスクを同時にこなす,ある意味では超人的な能力と言えるかもしれません。

初見演奏でなくても楽譜に書いてある情報を全て把握して弾くことは,本の内容を全て咀嚼して自分の言葉で説明できるようになるくらい難しいことだと思います。
初めのうちは,五線譜の上にある音を追って弾いていくことが目標になりますが,「文字による情報」の意味も理解できるとどんどん演奏のレベルが上がっていくと思います。
さらに,内容を理解して弾けるレベルになると,自分の日頃の頭の使い方も変わっていくのではないかと思っています。

まとめ

今回は楽譜に書いてある情報について記事にしてみました。
「五線譜の上の情報」はもちろんですが,「文字による情報」は演奏者による味が出るポイントの一つだと思います。
ピアノに限らず,「楽譜を読む」ということは楽器を演奏する上で必須ですが,五線譜にはかなりの情報が含まれているということを承知した上で,練習ができると演奏レベルが向上すると思います。
特に,自分の頭の使い方を工夫して楽譜の読み方やピアノの演奏の仕方を考えられればピアノの演奏だけでなく,ピアノ以外のスキルも向上できるのではないかと思いました。

この記事が皆さんの役に立てば幸いです。
ゆきふり

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