楽譜の読み方を考える【レッスンでは教えてくれない:五線譜を超えた部分の読み方編】

ピアノ

前回は五線譜の内側の楽譜の読み方について考えてみました。譜読みを早くするために五線譜の音をどれだけ早く認識できるかが大切になります。今回は五線譜をはみ出た部分の楽譜の読み方について考えてみます。

楽譜の読み方についてはこちらの記事も参考にしていただければと思います。

五線譜の外側の音をどこまで即答できますか?

皆さんは五線譜の外側の音をどこまで即答できますか?必ずしも即答できる必要はないのかもしれませんが,ト音記号とヘ音記号の五線譜の外側の3本の線までの苦手意識をなくすためにここでは楽譜の読み方と鍵盤の範囲を見てみます。

五線譜の外側の音の読み方を解説【劇的な改善へ】

具体的にどうやって読むかを解説します。実際には音名を即答する練習をするという方法もありますが,ここでは五線譜と鍵盤の位置を対応させて読みます。

まずは五線譜内の音の範囲を押さえる

まずは,五線譜内の音の範囲は以下のようになります。(1,3,5の指を使うとギリギリ届くという人も多いと思います。)

五線譜内の音
五線譜の範囲内の音(青:ト音記号,赤:ヘ音記号)

ヘ音記号の位置は「ミ,ラ,レ」,ト音記号の位置が「ソ,シ,ファ」に対応します。

五線譜内の読み方については,以前記事にしていますので,下記リンクも参考にしていただければと思います。

五線譜の外の音(3本加線された音)を捉える

次に五線譜の外側の音を考えます。

まず,ドレミファソに指を置いてみます。その時に1(親指),3(中指),5(小指)にあたる音を拾ってみると全ての音が楽譜の線の上,あるいは線と線の間の音になります。

ヘ音記号:シ,レ,ファ
ト音記号:ソ,シ,レ

これを利用すると五線譜の外側の音が一気に読めるようになります。今回対象とする楽譜(3本加線された位置)の音を五線譜に示すと次のようになります。

対象とする五線譜の外側の音

この音を単独でパッと読むことは苦手な人もいらっしゃると思いますが,次の楽譜であればどうでしょうか。

五線譜の外側の音(加線3本まで)

一番遠い音は前のものと変わっていませんが,和音になっていれば,すぐに把握できるという人も多いのではないでしょうか。

これは,頼りになる音があるためと考えられます。和音であれば五線譜の一番端の線から三度上(または三度下)の音を基準に1(親指),3(中指),5(小指)を置けば音名がすぐ分からなくても鍵盤を押さえることができます。

慣れてくれば音名もついてくるようになりますが,五線譜の外側の音に苦手意識がある人は,この方法で五線譜の一番端の線から3度上(または三度下)の音(五線譜の1本目の加線)を基準として和音で考えれば3本の加線まではかなり簡単に鍵盤の位置を対応させることができるようになります。

参考までに五線譜の上下に3本加線されている時の加線上の音について右手と左手の鍵盤の位置を示すと次の図のようになります。

五線譜外の鍵盤の位置(ト音記号)
五線譜外の鍵盤の位置(ヘ音記号)

対象とする五線譜の外側の音

3本加線された音までスラスラ読めるようになると,下の図のような範囲をカバーすることができます。(赤:ヘ音記号,青:ト音記号)

カバーできる範囲(赤:ヘ音記号,青:ト音記号)

実際には,全ての鍵盤(88鍵)のうち56音をカバーします(カバー率:63.6%)。カバー率で言うと6割ちょっとと少なく感じる方もいるかもしれません。しかし,これ以上の範囲の音が出てくる場合,8vaと記載されることがあるため,この範囲の音を読めれば,楽譜で出てくる音の8~9割くらいはカバーできるのではないでしょうか。

まとめ

五線譜内の音,「ド」の位置に続いて,楽譜の五線譜外の音の読み方について考えてみました。今回の音名を覚えるという方法ではなく,鍵盤の位置で対応させて覚えることになります。

楽譜から一度音名に変換してそれを鍵盤に対応させるのではなく,楽譜から鍵盤の位置を直接選択することができるようになるため,スラスラ弾けるようなヒントになるかもしれません。

今まで五線譜の外の音を読むときにこうしたことを考えたことがなかった人は一度試してみていただければと思います。

簡単な曲集から練習すると効果をより実感できるので,色々な曲集にもチャレンジできればと思います。私もどんどんスキルアップできればと思います。

ゆきふり

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