譜読みは得意でしょうか。私はお世辞にも譜読みが得意ではなく、昔は耳から覚えて弾くタイプであまり譜読みは得意ではありませんでした。しかし、ある程度大人になって譜読みの時間が十分に取れなかったり、早く曲を弾くための練習をしたいと思うようになって譜読みの仕方を見直すこととしました。
今回はそんな譜読みについて記事にしてみようと思います。楽譜の読み方については過去に記事にしていますので、興味があれば見ていただければと思います。(また,読譜という意味ではバーナムもおすすめです。)
譜読みが早くなるとどうなる?
譜読みが早くなくても,ピアノの発表会などでいい演奏をすることは可能です。しかし,譜読みが早くなりたいと思う人も多いのではないでしょうか。譜読みが早くなると以下のようなメリットがあります。
曲が仕上がるまでの時間が短くなる
譜読みが早くなると,曲が仕上がるまでの時間が短くなります。ピアノを弾いていると曲が弾けるようになってから曲の構成や表現を練るという人も多いと思います。譜読みが早くなると,曲が弾けるようになるための練習時間を短くすることができるため,曲が仕上がるまでの時間が早くなります。そして,実質的には練習時間が短くなるため,技術的な練習にたくさんの時間を割くことができるようになります。
色々な人とすぐにアンサンブルができるようになる
ピアノを弾いているとあまり他の楽器と合わせるということはないかもしれません。最近はストリートピアノで即興で連弾をするというものもありますが,音楽の中にはその場にいるメンバーで楽しむという楽しみ方もあります。もし,譜読みが早く,特に初見が得意であれば,その場で楽譜をパッと渡されて歌などと楽しくアンサンブルができます。また,ピアノには連弾の名曲も多いので,ピアノが弾ける友人や先生と一人では弾けない曲を弾くこともできます。
譜読みを早くするためには?(譜読みを早くするための3つのポイント)
今回は初見演奏に限らない譜読みのポイントを3つ紹介します。私の体験ではありますが,どれも意識すれば確実に譜読みが早くなると思います。
パターンを探す
例えば,ソナタ形式のように提示部→展開部→再現部のように同じような部分が何度か出てきます。このように多くの曲ではテーマと似たような部分が何度も出てきます。その場合は同じ部分の譜読みは必要がなくなります。
同じパターンには「1つのパッセージが半音ずつや1音ずつ上がっていく」ものや「テーマが転調したもの」など様々なものがあります。これは自分の感覚で「同じパターンだ」と思えるものであれば全てこの括りと考えることもできますので,
楽譜を見ながら弾く
譜読みをする上では,楽譜に情報が書かれている以上,楽譜を見て弾けるスキルがあると良いです。皆さんはどんなに簡単な曲でも楽譜から目を離さずに1曲を通して弾くことはできるでしょうか。私は楽譜を見ながら弾いているつもりでも,気づいたら一瞬手元を見てしまうことがあります。こうした手を見る癖がなくなると初見が上達していくため譜読みが早くなります。
また,副産物として楽譜を見ながら弾けるようになると,手元の鍵盤の位置や距離に対する感覚を覚えることができるため,目をつぶって演奏することができるようにもなり,ミスタッチを減らすことができます。
音を覚える
耳から覚えることができる人は自然とできていると思いますが,「音を覚える」ということは譜読みを早くするためのポイントです。これは耳から譜読みをするという方法とも近いものがありますが,音を覚えていくことで次の展開がはっきりと頭の中に刻まれます。楽譜を見るという視覚だけでなく,ピアノを弾く上では譜読みの段階でも聴覚が非常に大切になります。
さらにステップアップするためには,譜読みをする段階で理想の音楽を考えて進めるというテクニックがあります。初心者のうちは音を追うのに精一杯で譜読みの段階で音楽的にも充実した演奏にすることはなかなか難しいですが,少し技術が身に付いてきた段階で簡単な曲に挑戦してみると,最初からある程度音楽をわかった上で弾くことができる感覚を掴むことができるようになります。
量をこなすことも大切!
楽譜を読む早さを早くするためには量をこなすことも大切です。量をこなすということはとても大変そうに感じるかもしれませんが,「初見で弾けそうな簡単な曲」をこなすのがポイントです。これは曲になっている必要もなく,「楽譜の音と自分の弾いている音が対応するようになる」が大切です。
初見練習におすすめな曲集についてはこちらに挙げていますので,興味がある人は購入して挑戦してみると良いと思います!どれも比較的簡単な曲ですが,譜読みが苦手という人は指と楽譜の音を対応させるように動かす訓練になると思います。
まとめ
今回は譜読みの早さについて記事にしてみました。自分の弾きたい曲やレッスンで与えられている曲が弾けるようになるまでの時間は人によってはすごく大変と感じる人も多いのではないでしょうか。少しずつ譜読みの時間が短くなり,どんどん音楽を心から楽しめる時間が増えるといいなと思っています。
ゆきふり