【体験談】弾けるか弾けないかギリギリの状態で演奏する本番を体験しました

ピアノ

ピアノを弾く皆さんの中で暗譜が完璧ではないのに本番を暗譜で参加されたり、成功確率があまり高くない状態で本番に出たことがある人はどのくらいいるでしょうか。

とても危険なので「やってみてください!」とオススメはできませんが、今回はそんな綱渡りで参加する本番で得られるものと私の体験談を記事にしてみます。

本番2週間前に突然の依頼(私の体験談)

私は「発表会の本番にはできるだけ練習をして、会場の響きや観客が入った時の反応を感じつつも自分らしさが出るような弾き方をしたい」というポリシーがあるため、本番前はかなり練習して臨むことが多いと思っています。

また、本番前に詰め込んで練習するということは少なく、1ヶ月前くらいにはある程度曲を弾けるようにしておいて、ゆっくり表現を練るようなことが多いかなと思っています。

しかし、数年前に知り合いのピアノの先生から本番2週間前に「参加者が減っちゃったから、できたら発表会に出てほしい」と頼まれました。

平日や土日の練習時間を考えると新しい曲に挑戦するのは大変無謀なのですが「子供たちにできるだけウケるような曲を弾いてほしい」とリクエストがあり「きらきら星変奏曲」を披露することになってしまいました。

本番までの練習

ご存知な方も多いと思いますが、きらきら星変奏曲は12の変奏曲から構成されており、演奏時間は10分程度かかる結構長い曲です。

また、恥ずかしながら当時の私はきらきら星変奏曲を弾いたことがなく、技巧的にも音の粒立ちや速い動きが求められたり、テンポの加減速など様々な技術が要求されたりするため、非常に苦労しました。

本番までの練習としては、夜遅くに仕事から帰って30分、朝起きて30分と言った練習時間しか取れず、土日になんとか10時間くらい練習はできましたが、いつも迎える本番と比べて完成度が高くなく、100%で弾ける状態ではなく場所によっては指がもつれて曲を止めてしまう可能性もあるまま本番を迎えることになりました。

本番の心構えと気持ち

本番までしっかり演奏するタイプの人は分かるかもしれませんが、練習不足で迎える本番は非常に心細いものでした。

この本番の心構えと気持ちについて、本番前、本番中、本番後に分けて自分の気持ちを客観視してみようと思います。

本番前に考えたこと

本番前には曲を通して弾くことはできるようになっていたものの、練習がほとんどできていない状態での本番だったので「止まらずに弾けるか」「リピートを忘れないか」「指がもつれないか」といった不安な気持ちが強かったです。

一方で、もうすぐ本番という人前で弾ける機会にワクワクしている自分もいて、やるだけやってきたことをぶつけたいという気持ちもありました。

この時には、ある意味では即興演奏をする人たちはこういうワクワクしたイメージが強いのではないか、弾きながら即興で色々と考えながら弾くということはこういうことなのか、という感情の重なりもありました。

演奏中に考えたこと

演奏中は練習不足なりに演奏をしっかりいいものにしようという演奏中は以外にも演奏にすごく集中することができました。

大きなミスなく演奏することはできましたが、演奏中の頭の中での考えは目まぐるしく変化しており、細かい部分に気を配るという余裕がなぜかありました

難しい部分が成功した場合や簡単な部分で思ったように弾けなかった場合など、いつもの本番でもよくあることはありましたが、そうした成功や失敗に対していつも以上に繊細な感情の変化があったように感じます。

もしかすると、練習していたらあまり意識せずに弾いている部分まで本番でしっかり意識して弾いていたかもしれません。

演奏後に思ったこと

若いピアノ奏者でYouTubeで再生数が高い方の多くは即興演奏やオリジナルの演奏をされていますが、そうした方々はその場で弾きながら色々と変化を加えて弾いているように感じます

私はまだまだそういったレベルには達しているものではありませんが、今回のギリギリの状態で本番に出た時に、こうしたピアノ奏者の楽しい気持ちが少し分かったような気がしました。

また、本番前は心配が多かったのですが、弾いている演奏者の心配は聴いている人にも伝わってしまう可能性も高いので、できるだけ堂々とした気持ちを持って、小さなミスに動じないという意志を持って演奏するということが大切だと感じました。

練習が足りなくても、多少のミスでも表現したい音楽やピアノの技術の大部分は欠損することがないので堂々と演奏することが大切だと思いました。

技術は味方になる

今回演奏してみた時に一番感じたこととして「頭の中の音楽を表現するために技術は味方になる」ということでした。

過去に経験したものの中で、本番で不安になる瞬間や魔がさしたタイミングではいつもとは違うハプニングが起こることがあります

今回の練習が少ない本番では、技術的に不安な部分の少し前などで次の動きを気にしてしまって自分の思う演奏ができなかったということがありました。

不安がある部分が残っていると本番の演奏に非常に影響が出やすいことから、できるだけ本番までに練習が必要だと思うとともに、テクニックがちゃんとしていればこうした不安がなくなるため、音楽にもっと没頭できるのではないかと思いました。

まとめ

今回はギリギリの状態で演奏した時の体験について記事にしてみました。

技術があることに越したことはないということが分かりましたが、一方で、演奏する度胸が大切であるということも感じました。

練習が多少足りなくても本番で心配事よりも堂々とした演奏で自分が身につけてきた技術や表現をどれだけ信じられるかが本番の演奏の成功につながると思いました。

ゆきふり

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