【選曲のヒント】発表会の曲をどうやって選べばよいか?

ピアノ

発表会の曲をどうやって選べばよいか

新しい年が始まって今年はどんな曲を弾こうかと考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は発表会の選曲のヒントを記事にしてみます。発表会の曲を自分で選んだことがない人やなかなか決められないという人は発表会の選曲の参考にしていただければ嬉しいです。

大前提として…自分の弾きたい曲を選ぶ

発表会の曲を選ぶうえで一番は何と言っても自分の弾きたい曲を選ぶということがポイントだと思います。
言い換えれば練習する上でテンションの上がる曲を選ぶということです。
これは本番までの練習のモチベーションにつながります。
また自分の弾きたい曲を選ぶと本番までに一生懸命練習をするため,本番で良い演奏ができる可能性も高くなりますし,本番での成功体験がピアノを弾く自信をより増加させる効果もあります。
特に,みんなが聴いてくれる場で自分の弾きたい曲を弾くことができるのはとても贅沢な体験となります。

ここではまず,発表で弾く曲を選ぶことができるの前提で選曲のヒントを紹介します。

発表会用の選曲方法のヒント【方法1~3】

方法1:誰もが聴いたことのあるような有名な曲を選ぶ

1つ目の方法は自分が弾きたい曲の中で誰もが知っている有名な曲を選曲する方法です。
これは必ずしも技術的に難しい曲である必要はありません。
誰もが聴いたことがある曲はCMで流れる曲だったり,テレビ番組のBGMとして使われることもあります。
有名になって良く耳にする曲は多くの人がいいなと思える聞き映えのする曲です。
自分が演奏できる曲のレパートリーとして「誰もが知っている有名な曲」をいくつも弾ける状態にしておくと,ピアノを弾ける環境で集まった時にみんなで楽しく演奏することもできます。
(みんなでピアノがある場所で楽しく弾くときは比較的簡単で技術的に難しくない方がウケはいいように感じます。)

ピアノはコンクールを除いて基本的には他人と比べて弾くものではないと思っているので,お客さんが口ずさめるような(お客さんを楽しませることができるような)曲を選ぶのが選曲の1つ目の方法です。

方法2:色々な人に知ってほしい曲を選ぶ

2つ目の方法は色々な人に知ってほしい曲を選曲する方法です。
例えば,ピアノを習っていたり音楽に詳しい人であれば知っているような曲や一般には十分に知られていないような曲だけど自分の感性に合っている曲を選ぶことがこの方法にあたります。

ピアノに限らず,たくさんの曲に触れて色々な曲を知っていくと多くの人に知ってほしいという曲はたくさん見つかります。
このブログでも「イヴェットのためのソナチネ」や「かっこう」など多くの人が知っているわけではないけど,知ってほしいという曲をいくつか紹介しています。

今後もこのブログではそうした曲はいくつか紹介していく予定ですので,興味があればチェックしていただければと思います。

方法3:他の人が演奏する曲とのバランスを見て選ぶ

3つ目の方法は発表会に出る他の人の演奏する曲とバランスを見て決める方法です。
具体的には他の演奏者と曲が被らないようにすることや年代や曲の雰囲気がばらつく(あるいは固まる)ようにすること,レベルをまわりに合わせることなど他の演奏者がどんな曲を弾くか決めてから決めるという,いわゆる後出しじゃんけん方式です。
この方法は発表会の候補曲はいくつか絞れたけど,本番で弾く曲を決めきれない人にはおすすめです。
ただ,発表会によってはみんなが演奏する曲をお楽しみということで教えてもらえないという場合もあるのでそうした発表会では使うことはできません。(そういうことは滅多にないですね…。)

優柔不断な性格で毎回選曲に悩んでしまうという人は,弾きたい曲を何曲かに絞った上で最後の一押しとして他の人の演奏する曲とのバランスを見るというこの方法はひとつの選曲手段になると思います。
さらに,自分の演奏する順番が分かっていればさらに効果的な選曲もできるかもしれません。
自分の選曲で演奏会を作り上げるということに貢献できるという視点も持てるのでこうした選曲もおすすめです。

番外編:方法1から3で弾きたい曲が見つからない場合は?

多くの人は方法1から3で自分の弾きたい曲を見つけることができると思いますが,それでもなかなかこれといった決め手に欠く人もいらっしゃるかもしれません。
ここからは番外編として4つの選曲方法を紹介します。

番外編その1:他の発表会やコンクール,試験で一度演奏する(演奏した)曲を選ぶ

1つ目の方法は一度どこかの発表会やコンクール,試験などで弾いたことがある曲を選ぶという方法です。
これは練習時間も比較的短く済みますし,安定した演奏ができる場合が多いです。
何度も本番で演奏していくことで会場やピアノ,聴いてくれているお客さんの違いによって同じ曲でも違う空気感を感じることができます。

過去に本番で演奏したことがある曲をもう一度弾くことについては記事にしていますので興味があればみていただければと思います。

番外編その2:表現や技術をアピールできる曲を選ぶ

初めて呼ばれたピアノの先生の発表会などではこの選曲方法が有効かもしれません。
私はピアノは競争して演奏するものではないと思っているので,必ずしも自分がこんなにピアノを弾けるんだという技術のアピールをするというわけではありません
小さい子供たちが多い発表会では自分と似たようにピアノを習ってきた大人がどのような演奏するかということにとても興味があるようです。
そういう子供たちが少しでもピアノが好きになれるように,表現や技術の少し進んだところを見せてあげることができると,他人のやる気を引き出すことができるようになります。

表現や技術をアピールできる曲を演奏して難しい部分をさらっと弾けると自分の満足感が高まりますが,それ以上にピアノを弾く色々な人に演奏で刺激を与えることができるとピアノがもっと上手くなりたいと思ってもらえる可能性もあり,その時は自分だけで感じる満足感以上の満足感や充足感を得られる素晴らしい経験になると思います。

番外編その3:曲の雰囲気の違う曲を選ぶ(2曲以上演奏する場合)

発表会では短めの曲を2曲演奏するということも可能です。
もし2曲以上選曲する場合,1曲目をゆったりした曲,2曲目を盛り上がる曲とするなど曲調の異なる曲を選ぶというのはお客さんとしてはとてもワクワクしながら聞ける場合は多いです。
これは必ずしも同じ曲(例えば,ソナタの2楽章と3楽章)から選ぶ必要はなく,全く違う作曲家の全く違う曲を選んでお客さんに聴いてもらいたいようにアレンジメントするのも良いと思います。
組み合わせによってはとても盛り上がって聴衆を惹きつけることができます。
まるで,食事の食べ合わせのようなイメージでしょうか。選曲する側の腕の見せ所かもしれません。

番外編その4:調性を合わせた曲を弾く(2曲以上演奏する場合)

番外編その3と同じく2曲以上演奏する場合,調性を合わせた曲を弾くという方法もおすすめです。
例えば,ドヴォルザークの「ユモレスク Op. 101-7」とショパンの「黒鍵のエチュード」という変ト長調の曲を並べるという選曲も良いかもしれません。

同じ調の曲を練習するのはシャープやフラットの関係が変わらないので,譜読み慣れもしやすいですし,本番で演奏する曲の自分の演奏技術の向上にも役立ちます。
あまり弾いたことのない調で何曲か演奏すれば苦手な曲の克服にもつながりますし,聴いているお客さんとしてはもしかして揃えてきたのかなと気づく通な方もいらっしゃるかもしれませんので,この方法もおすすめです。

自分で曲が選べない場合は?

先生から曲が与えられるので自分の弾きたい曲を自分ではなかなか選べないという人もいらっしゃるかもしれません。
その場合は,ぜひ先生に相談してみましょう。

私の知り合いのピアノの先生のほとんどは生徒からの弾きたい曲の提案を断ることはないようです。
ただ,技術的にハードルがものすごく高い曲は「本当に大丈夫?」と聞かれることはあると思います。
もし断られるようなは,先生に何曲か出してもらってその中から一番気に入った曲を選ぶということも良いと思います。

ピアノの先生の中には本当にたくさんの曲を知っていて,あまり良く知られていない美しい曲やカッコいい曲などを紹介してくれる場合もあります。
自分で曲を選べない場合はぜひ先生に相談して,本番で弾いてテンションが上がる曲を選ばせてもらうことがピアノを弾く上でのモチベーションにつながりますし,何よりピアノが楽しくなると思います。

自己満足の選曲でも構わない,でも…

選曲はある程度は自己満足のものになっても構わないと思っています。
しかし,私としては「でも…」と書いているように自己満足だけで終わらせるのはもったいないと思います。
ピアノを弾く上では聴いてくれる人に喜んでもらえる時が一番幸せを感じる瞬間だと思っています。

自分が弾きたい曲であるのはもちろんですが,聴いてくれるお客さんが少しでも興味を持ってもらったり,お客さんや出演者の仲間に弾いてみたいと思ってもらったりできることを目指せる選曲ができると,演奏後の満足感は格段に向上します。
幸せは人と分かち合った方が何倍にも大きく感じると言われるように,弾いた自分が幸せになるだけでなく,演奏を聴いたお客さんや他の出演者も幸せになれる曲を選曲できるといいなと思っています。

まとめ

今回は発表会の選曲のヒントについて記事にしてみました。
具体的な曲目が少ないので選曲に対する抽象的な考え方かもしれませんが,選曲に迷っている人がこの中で紹介したヒントを手掛かりに少しでも楽しんで選曲をしてもらえればと思っています。
特に, 自分の選曲で演奏会を作り上げることに貢献できるとより発表会を迎えるのが楽しくなると思います。
この記事が皆さんに役立てば嬉しいです。

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